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足を斬られてダンジョンに置き去りにされた少年、強くなって生還したので復讐します(習作2)  作者: 田中寿郎
王都編

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第114話 マリー・ベティ救出 ~ 王に謁見

「マリー!! ベティ!!」

 

思わず駆け寄ろうとしたソフィであったが、二人のあまりの状態に思わず息を呑み、立ち止まった。体中傷だらけで、触れて良い場所が見当たらないような有様なのである。

 

床には最低ランクのポーションの瓶が転がっていた。最低限殺さない程度の状態を保たせていればいいという処置なのだろう。

 

以前からリューは、地球に比べるとこの世界の人間は随分残虐であるように感じていた。地球にも酷い事をする奴は居たが、そんな人間がこの世界では多いというか、割と平気で人を傷つける人間が多い。回復魔法やポーションのような奇跡の治療薬があるためであろうが。

 

ただ、ここまで酷いと、最上級の回復薬(アリクサー)でも持ってこなければ、もはや再起不能の状態である。

 

だがそれもリューが居れば問題ない。手枷足枷を次元断裂で破壊すると、二人の肉体の時間を巻き戻して回復させてやる。顔にある大きな傷や火傷は目を横断しており、眼は失明しているだろう。よく見れば耳も千切れ、指など欠損している。それらも全て、リューの時間巻き戻しで全て元通りになる。今回は服まで含めて巻き戻したので、虜囚となる前の状態まで完全リセット完了である。

 

マリー 「ソフィ様、ご無事でしたか……」

 

ベティ 「リュー……来てくれたのね……ありがとう……」

 

だがその時、牢の外から見張りの刑務官が騒ぎ始めた。

 

「何者だ!?!?」

 

即座にリューが全員頸動脈の血流を遮断して気絶させる。

 

刑務官は命令に従っているだけの者も居るだろうから殺す必要はないだろう。死んだり障害が残ったりする前に血流は回復させ、転移で外に放り出してしまう事にした。刑務官の対応に問題があったならば後で王女が処分を下すだろう。

 

だが、刑務官の姿を見たマリーとベティがビクッっと身を固めたのをリューは見逃さなかった。

 

リュー 「……誰にやられた?」

 

ベティは黙って気を失った刑務官を指差した。

 

血流が回復し、意識を回復した刑務官の男に問い質すリュー。

 

リュー 「お前がマリーとベティを痛めつけたのか?」

 

刑務官 「…あ……? 誰だお前達?」

 

面倒になったリューは神眼を発動、何があったのか男の心を読む。

 

男は拷問を担当している尋問官も兼ねており、人を痛ぶり切り刻むのが趣味という異常性格者であった。それ故に趣味と実益を兼ねて拷問を担当する尋問官という職に就いたわけだが、マリー達については何か聞き出す情報があったわけではなく、殺さなければ何をしても良いとギルに言われて、ただ楽しむためだけに甚振ったのであった。

 

瞬時に両手両足を斬り飛ばすリュー。

 

ベティに傷口を焼かせると、男をダンジョンの中に転移させた。

 

本当はマリーとベティにじっくり復讐させてやりたいところであったが、今は時間がないので仕方がない。

 

転送先は、ダンジョン内の巨大蜘蛛、迷宮蜘蛛(ダンジョンタラテクト)の巣である。おそらく蜘蛛が殺さないように食料として保管して、時間を掛けて殺してくれるだろう。死を迎えるまでの間、恐怖を味わえば良い。

 

    ・

    ・

    ・

 

ソフィ 「リュー、父上のところに参る! 転送するのじゃ!」

 

リュー 「王城の中でよいのか?」

 

ソフィ 「うむ! この時間なら父上は玉座の間に居るはずじゃ」

 

マリー 「私達も……!」

 

もちろん、マリー達も置いていくつもりはない。マリーが言い終わらない内に、全員を王城の中に居た。

 

    ・

    ・

    ・

 

玉座に掛けた王は、宰相から報告を聞いていたところであった。

 

そこに突然リュー達が現れたため、護衛の騎士が一瞬慌てて剣の柄を握ったが、現れた中にソフィが居るのを見て手を放した。

 

ソフィ 「父上! やっと自由に話せるようになったのじゃ!」

 

ソフィが玉座に駆け寄る。

 

王 「おおソフィか、どうやら調子が戻ったようじゃな。最近ずっと様子がおかしいと心配しておったぞ」

 

ソフィ 「隷属の首輪を付けられていたのじゃ! リューがそれを取ってくれたのじゃ」

 

王 「なんじゃと?! どおりで……。一体誰がお前にそんな事を?」

 

宰相 「恐れながら殿下、今、大事な報告をしていたところですので、今しばらくお待ち頂けますか?」

 

ソフィ 「王女に隷属の首輪を嵌めて辱めた者がいるのじゃぞ? それよりも重要な報告なのか?」

 

宰相 「左様にございます」

 

引かない宰相にソフィが黙る。

 

王 「うむ、実はな、隣国のチャガムガ共和国が攻め入ってきたのじゃ。敵軍は国境の街を占拠、さらに侵攻中じゃ。」

 

ソフィ 「攻め入ってきた?!」

 

王 「第四王子(マリム)第五王子(トリム)に軍を引き連れて対応に向かわせた。南の国境線防衛に行かせていた第一王子(レジルド)も応援に向かうよう伝令を出してある」

 

宰相 「王、お待ち下さい、部外者が。…ソフィ殿下、そこの者は誰ですかな?」

 

ソフィ 「この者はリュージーン、妾の冒険者仲間じゃ。妾を助けてくれたのじゃ」

 

宰相 「突然部屋の中に現れたように見えましたが……?」

 

ソフィ 「そうじゃ、リューは転移魔法を使えるのじゃ。リューは味方じゃ、隷属の首輪も破壊してくれたのじゃ、安心して良い」

 

宰相 「左様ですか」

 

王が頷いたのをみて、宰相もそれ以上何も言わなかった。

 

王 「して、国境の街(ビエロ)の被害はどれほどじゃ? ビエロの防衛は第三王子(ハリス)に任せてあったはず、ハリスはどうしたのじゃ? まさか、戦死したのか?」

 

宰相 「それが……不思議な事に、ビエロの街で戦闘が行われた形跡はなく、被害は特にないとの報告です。どうやら、ハリス王子が敵を導き入れ、街を明け渡したのではないかという報告が入っておりまして……」

 

王 「なんじゃと、ハリスが?」

 

ソフィ 「父上! 妾に隷属の首輪を着けたのは、ハリス兄様じゃ!」

 

王 「む?! 実の妹に隷属の首輪を付けたのか?」

 

ソフィ 「兄上は、妾に首輪をつけて、恥ずかしい事をさせたのじゃ」

 

王 「なんじゃと?! 実の妹に対して、一体ハリスは何を考えておるのじゃ?!」

 

 

― ― ― ― ― ― ― ―

 

次回予告

 

ハリスを問い質す王

 

乞うご期待!

 

 


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