表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足を斬られてダンジョンに置き去りにされた少年、強くなって生還したので復讐します(習作2)  作者: 田中寿郎
王都編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/187

第111話 なんだか様子がおかしいノジャ娘

リュー 「そうだな、戻ってくると言ってたが、やはり戻れないのか?」

 

ソフィ 「そうですね、私は王女ですから、やはり冒険者などしていてはならないと、王城に戻ってから思い直したのです」

 

リュー 「そうか、まぁ、そりゃそうだろうな。マリーとベティ、アリス達はどうしている?」

 

ソフィ 「彼女達は実家に帰らせました」

 

リュー 「なんでだ?」

 

ソフィ 「特に理由はありませんわ、ただの人事異動です」

 

リュー 「ソフィ、何か、雰囲気が変わったか?」

 

ソフィ 「そうですか? 何も変わっていませんよ?」

 

リュー 「話し方も違う、お前、前は“のじゃ娘”だったじゃないか?」

 

ソフィ 「だとしたら、王族として、これまでのように奔放に生きていてはいけないと、考えを改めたからかも知れませんね。……のじゃ」

 

リュー 「またとってつけたような『のじゃ』だな。無理につけなくてもいいんだぞ?」


ソフィ「では、のじゃはなしで」


リュー「…? のじゃのほうが自然だったんじゃないのか? 俺に対しては気を使う必要はないんだぞ?」

 

ソフィ「いえ、王族らしい話し方にを心がけている所なので、戻してしまうと直すのが大変なので」

 

リュー「そ、そうなんだ、まあいいけど……。そうか、まぁ、王族が王族としての仕事に真面目に取り組むのは良い事なんだろう。」

 

ソフィ 「先程は、ギルが失礼な態度を取り、申し訳ありませんでした」

 

リュー 「それだ、俺が王都まで来たのは、俺を捕らえるよう王宮から指示が出ていると聞いたからなんだが」

 

ソフィ 「そうですか」

 

リュー 「知ってるか?」

 

ソフィ 「はい」

 

リュー 「……? ギット子爵の件は、ちゃんと説明してくれたんだよな?」

 

ソフィ 「話していません」

 

リュー 「なぜだ?」

 

ソフィ 「王宮には、報告ひとつでも、色々としきたり、手順があるのです」

 

リュー 「シキタリに、手順ねぇ……」

 

ソフィ 「ギット子爵の件は、裁判の時に全てお話するつもりです」

 

リュー 「裁判?」

 

ソフィ 「リュージーン、あなたの裁判です。出廷して頂けますよね?」

 

リュー 「……王族としての(しがらみ)って奴か?」

 

ソフィ 「そうです、私の顔を立てるためと思って、どうかお願いします」


リュー「……分かった」


ソフィ「では、自分から裁判に出頭してもらいたいのですが。本来なら裁判の前に身柄を拘束するのが普通なのですが、あなたを捕らえる事はできないでしょうから、それは免除いたします」

 

リュー 「……まぁ、いいがな。裁判はいつなんだ?」

 

ソフィ 「それは追って連絡いたします」

 

リュー 「どうやって?」

 

ソフィ 「それでは、冒険者ギルドのマスターに伝えておく事にしましょう」

 

リュー 「…バンクスか?」

 

ソフィ 「それでは、また裁判でお会いしましょう」

 

そう言うと、ソフィは席を立ってしまった。


部屋を出ていくソフィ、しかし、扉の所で振り返ったソフィは


「のじゃ」


と一言、呟いて出ていった。その時に見た笑顔は、ミムルで見たのじゃ娘の時のソフィの顔であった。

 

残ったメイド達がいそいそとお茶を片付け、そのまま出ていってしまい、リューは部屋に一人取り残されてしまった。

 

待っていてもそれ以上何も起きる事はなかったので、仕方なく部屋を出て戻る事にしたのだった。

 

城を一人歩き、出ていくリュー。

 

城というのはもう少し活気があるところを想像していたのだが、不気味なほど静かであった。

 

結局、リューは城門を出るまで、誰にも会うことはなかったのだ。

 

ソフィも、妙に冷たく余所余所しい態度であった。だが、王宮というのはそういうところなのだろう、王族というのも、それはそれで大変なのかも知れないと納得する事にしたリューであった。

 

王城を出た後、尾行してくる者があった。おそらく監視役なのであろうが、ずっと見られているのもあまり気分が良くないので、路地に入った瞬間に転移で移動して撒いてやった。しかし、宿に戻ると見張りが再びついた、まぁ仕方がないのかもしれない。

 

 

 

 

裁判の日程が分からないので、翌日、冒険者ギルドを再度訪れたリュー。

 

ソフィは冒険者ギルドのマスターに伝えておくと言っていた。まさか、ミムルの冒険者ギルドに伝えるという事はないだろうから、王都の冒険者ギルドのバンクスで良いのだろう。

 

バンクスを訪ねてみると、なぜか会ってはもらえなかったが、裁判については受付嬢ミレイに伝言されていたので事足りた。期日は三日後、王城の近くの裁判所で裁判が行われるということであった。

 

冒険者ギルドに行く途中で尾行は撒いてやったが、出るとまた()いて来たので、また路地の死角に入り、撒いてやる。路地を曲がるたびに焦って走ってくる追跡者であるが、間に合うわけがない。

 

裁判までまだ時間があるので、リューは暇つぶしに再び街をぶらついたが、その度、尾行がついてくるので、度、撒いて遊んでやるリューであった。少し意地が悪いが、微妙に現在の状況(ソフィの態度)が気に入らなかったため、八つ当たりのようなものであった。尾行役に任命された者は大変であっただろう。

 

そうこうしている内に、裁判の日がやってきた。

 

 

  *  *  *  *

 

 

裁判所の敷地に入ったリュー。

 

建物に入る前に、再び騎士達に囲まれた。

 

騎士 「リュージーンだな?! 拘束させてもらう! 大人しくしろ!」

 

リュー 「俺は裁判に出廷しに来ただけなんだが?」

 

騎士 「裁判所に入る前に武器は没収する!」

 

リュー 「武器は持ってないがな?」

 

両手を挙げ、丸腰である事をアピールするリュー。武器は全て亜空間収納に入っているのだが、そこは明かす必要はないだろう。

 

騎士 「よし、拘束しろ!」

 

リュー 「必要ないよ」

 

リューは建物の入口に向かって歩き始めた。

 

慌ててリューを取り押さえようとする騎士達。

 

だが、リューに近づいてきた騎士は皆、意識を失って倒れていくのだった。リューが離れていくとすぐ意識を取り戻すが、リューの5m以内に近づくとまた意識を失うことになってしまうため、どうにもできないのであった。

 

騎士 「隊長、どうします?」

 

隊長 「えーい、仕方がない、そのままでいい。被告人席に案内しろ」

 

騎士達は諦めて、そのまま場内へ案内する事にしたのであった。

 

― ― ― ― ― ― ― ―

 

次回予告

 

リューは裁判を受けてみる

 

乞うご期待!

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ