表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なろうラジオ大賞6 応募短編集

悪役令嬢は「ククク。奴は魔王軍四天王の中でも所詮最弱」を卒業したい

作者: 青帯


 乙女ゲーム『勇者パーティー養成学園』の、悪役令嬢カミラに転生してしまった。


 そうだと気付いたのは、ヒロインの聖女と攻略対象の勇者が結ばれる寸前。


 魔王軍打倒の切り札の聖女にも勇者にも酷いことしまくった後で、人類の敵扱い。


 人間社会に留まっていればゲーム通り処刑されてしまうから、やむを得ず魔王軍に亡命。


 やれやれ。どうにか死亡フラグを回避できたわ。


「おいカミラ。魔王様がお呼びだぞ」


 何かしら?


「集まったな。昨今、勇者どもが魔王である我の打倒を企んでいると聞く」


 ゲームだと、ヒロインの聖女は攻略対象のパーティーの誰かと、平和な世界になったら結婚すると誓い合って魔王軍討伐に出発してエンディングになるのよね。


 それより後の展開みたい。

 追加コンテンツかしら。


「勇者どもに対抗すべく、魔王軍四天王を任命する」


 呼ばれているのって、私以外に魔族の猛者(もさ)が三人だけ?


 まさか?


「カミラ。お前も四天王に抜擢だ。励め!」


「ありがたき幸せ!」


 やったー。大出世!


先鋒(せんぽう)をカミラに命じる! 勇者どもに四天王の恐ろしさを思い知らせよ!」


御意(ぎょい)にございますわ!」


 よーし。頑張るわよ。


 ん? 四天王の三人が集まって話をしている?


「カミラの実力は知れている。勇者たちには勝てまいな」


 そ、そうよ。


 カミラは魔法を使えるけれど、聖女や勇者が未熟なゲーム前半ならともかく、力が覚醒した後半では全然敵わないんだったわ。


 勇者パーティーに勝てる訳ないじゃない。


「今のうちにカミラが死んだときの台詞(せりふ)の練習をしておくか」


「やっぱりアレだろ」


「ククク。奴は魔王軍四天王の中でも所詮(しょせん)最弱。イエーイ♪」


 た、楽しそうね。


 だけど四天王先鋒がやられてしまうのはお約束。


 また死亡フラグ立っちゃった。


 でも修行して四天王最弱を卒業すれば――。


 無理無理。あの三人は魔王軍屈指の猛者だもの。


 となると――。


 奥の手ね。


「魔王様。山吹色の菓子でございます」


 ふう。


 賄賂(わいろ)で四天王全員で戦うようにしてもらったわ。


 悪の組織の敗因は、戦力の小出しのせいだと前から思っていたし。


 これで死亡フラグ折れたわよね?



 そして決戦の日。


 勇者たちが連携必殺技を繰り出そうとしてる!


「四天王のお三方、頼りにして――」


 あら? なぜ私を矢面(やおもて)に立たせるの?


「練習したことだし」


「言わずにはおれぬ」


「ウズウズ」


 ちょ、アレを言いたがるの卒業しなさいよ!


「「「ククク。奴は魔王軍四天王の中でも所詮最弱」」」


 せめて倒されてから言って頂戴(ちょうだい)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
不憫w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ