表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
騎士道。  作者: Albert Aldebaran
4/4

1-2-2

 自分が何をしたいかなんて、考えたこともなかった。

 お父様やお母様が教えてくれることに、何の疑いも持たなかったし、むしろその一つ一つが、私にはキラキラして見えた。

 いつから、キラキラして見えなくなったんだろう。

 すっかり伸びた自分の茶髪を、櫛で好いてもらいながら考える。

 明確な時期は、なかったと思う。

 ただふとした時に、思ってしまったんだ。

 なんで自分は、こんなことしてるんだろう、って。

 こんなことして、自分には何が残るんだろう、って。

 一度生まれた心のわだかまりは、消そうとしたって消えてくれるものではなかった。

 むしろそれは、どんどん大きくなっていってすらいて。

 お母様に怒られているとき。お父様に呼び出されるとき。

 自分の思い通りにいかないと、どんどん大きくなっていった。

 仕方ないよね。

 私が弱いのが悪いんだもん。

 私が、自分一人で生きていけるだけの力がないから。

 私が、自分のことも自分で決められない弱虫だから。

 お父様とお母様が、私のことなんでも、決めてしまうんだ。

 

 乳母のミッシェルさんに帰ってもらうと、広い部屋に私は一人になる。

 私一人には広すぎる部屋かもしれない。

 不安、だな。

 ベッドに、背中から倒れこむ。

 私は、まだ弱い。

 でも、もう弱いままは嫌になってしまったんだ。

 だから、私は強くなる。

 

 明日は、勇者さんに稽古をつけてもらう日だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ