背中の答え
今日お前に呼ばれた
それでなんで野球をやめるのか問い詰められた
今まで俺を見てたって言われた
初めて知った?
そんな訳ない
俺はいつも見ているお前を知ってた
野球をやめる理由は
そんなんじゃない
キャプテンという重圧に負けたんだ
「キャプテン!!」
「主将!!」
そんな言葉がどんどん積み重なって
野球が嫌いになっていってたんだ
正直言うと最後の試合
コールドで負けた試合
ほっとしてたんだ
「これで重荷が減る」
それと同時に
何か足りなくなってたんだ
ずっと何が足りないのか考えてたさ
夏が終わって秋になり
部活も引退した
野球も引退するって決めた
高校じゃこの白球は触らないだろう
そう思ってたのに。
やっぱり体と心がバラバラだったよ
後輩達が部活で汗を流してる
そんな様子を見ただけでどうしようもなくなって
体がうずくんだ
「野球をしたい・・・」
「もう1度・・・」
「白球を追いかけて・・・」
なんでだろうな?
そうゆうとき必ずお前の顔が浮かぶんだよ
目をキラキラさせながら部活見てたろ?
お前はいつもいつも―
委員会がある日は教室から覗いてたことも知ってる
自惚れになるかもしれないから
誰にも言わなかったけどさ
俺を見ててくれたことも―
全部知ってんだよ
バーカ
俺が気づいてないとでも思ったか?
でも1つだけ分からなかったな
“なんで俺を見てたのか?”
なんで気づけなかったんだろう
お前の気持ち
そして
オレノ、キモチニモ
ありがとな
俺の背中を押してくれて
俺のことを好きになってくれて
俺も
お前が好きだよ