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第一話 見知らぬ世界
ゲテモノ三分クッキングの腐女子、塩ザラメが書きます
彼は、皆と共に光に巻き込まれた。
それも数分の内、光が大分晴れると、馬車に繋がれた馬の鳴き声が響き渡る。
ハイヒール姿の女の人の井戸端会議、商人の声。
これは間違いなく、今の世界ではない。
彼が居たモダンの世界は消え、ここはまるで王国のよう。
彼の名前は裄白裕二、ただの、双子の兄の高校生。
裕二の側には、弟である英二が立つ。
見掛けが違う双子の高校生。
関係は、なんともいえない。
どうしたことだろうか、裕二は英二に別れを告げ、ただ足を止まらせることはない。
裕二は英二よりも大切な人を探している。
「またね」
裕二の告げた言葉が、英二の胸へ突き刺さる。
裕二はもちろん一人や二人でここを出るつもりは無い。
みんなで、この王国っぽい国から、いつもの何気ない日常へ戻っていく事を目指していた。
彼の足取りは、どこへ向かうのだろう