第参幕 鬼副長の最期
あの日の夜から、何故か心と体が軽くなっていた。土方さんのおかげなのかもしれない。とうの本人は今会議の真っ最中。僕は土方さんから「扉の前で待っていろ」と言われ、会議が終わるまで待たなきゃいけない。会議の内容は聞かなくても分かっている。でも、土方さんは僕を会議の中に入れない。理由は知らないけど。考え事している間に、後ろの扉が開き、土方さんが部屋から出てきた。
「お疲れ。土方さん」
「明日、俺達は第一関門の警護だ。敵に攻められたら、攻撃に加わる。いいな?」
「はい」
僕は土方さんに明日の戦術を聞き、部屋に戻った。
(敵の大将と戦いたかったなぁ)
~夜~
土方さんと別れた後、部屋に戻って眠りにつこうとしたけど、何故か眠れず縁側に出て月を見上げた。すると、騒ぐ声が耳に響いた。
(なんだろう?)
声がする方に歩いた。
声のした方の近くまで来ると、聞いたことのある声が聞こえてきた。
(土方さんもいるんだ)
「土方さん、雷丸さんは?」
「寝かせた。あいつが一番疲れてるからな」
(嘘ばっかりだ。僕じゃなくて、土方さんじゃないか)
「けどな、あいつは酒は飲めねぇけど、話しやすい。お前らだってそうだろ?」
「確かに」「ああ」
土方さんが言った言葉に皆が同意した。いつの間にか、僕の目から涙がこぼれていた。僕は気づかれないように、静かに自室に戻った。
~翌日~
五稜郭に新政府軍の奴らが攻め込み、僕達、旧幕府軍は今不利な状況だ。
「九尾。攻めるぞ!」
「はいっ!」
でも、一瞬の悲劇だった。
≪ドーン!≫
耳に響く銃声音。すかさず聞こえた方を見ると
「土方さん!」
土方さんを抱え、林の中に身を隠した。
「土方さん!しっかりして!」
止血をするも、血は止まらなかった。また、自分の目から涙が溢れた。
「九尾…お前に…最後の…副長…命令だ……」
土方さんの必死の声だった。
「最後だなんて言わないで!!」
「新政府軍の奴らに…誠の意志を…見せてやれ……」
そう言って、土方さんは永遠の眠りについた。
「土方さあああああん!!」
僕の叫び声は戦場に響き渡った。
皆さんどうも真琴です。ニコニコ超パーティー、歌い手として出たいです。
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