28 幕間2
詳しいことはメールで、ということで解散となった。ジュンと同じで、ケータはユーキと直接遣り取りしない。俺を通じて情報が伝わるようになった。徹底しているというか、クールというか。
ユーキは家に泊まる約束をしたから、帰り道は一緒だ。ケータは寄る所があるようで、広場の入口で別れた。
「クリーガーになって良かった」
ユーキは周りに花が飛んでいるかのような浮かれ具合だった。スキップでもしそうな勢いだ。
それだけ喜んでくれて何よりだけど、無駄にプレッシャーを感じる。ユーキが想像しているものじゃないかもしれないのに。
「家族愛が手に入ったから?」
「いや、気付けたから、かな。失ったモノを取り戻す戦いに参加する理由がオレにもあったんだって」
「最初から何もないと思っていたけど、失ったモノがあったってことか」
「ん。それは取り戻したいものではなかったけど。新しく手に入れられるものだったって」
ユーキが失ったモノは、両親からの家族愛で。それを両親から取り戻したくはなかった。自分に一度も会いに来たことがない人は、他人と同じなのかもしれない。血が繋がっていることを重要だと思う人もいるみたいだけど、ユーキは違うみたいだ。俺も、兄さんより従兄弟のお兄ちゃんの方が『兄』だった。兄さんは『実の兄』で、お兄ちゃんは『理想の兄』。まあ、従兄弟のお兄ちゃんも血縁関係はあるけど。
人間関係って複雑だ。それぞれ考え方が違うから、求めるものも違う。
「そういえば、お前はどこに住んでいるんだ? 外泊の連絡はしなくていいのか?」
「ここから3駅先のところに住んでる。施設を出て、一人暮らし」
「バイトはしてるのか?」
「うん。小学生の家庭教師と日雇い。高校は工業高校に行ってる」
思っていた以上にユーキは自分のことを考えていた。戦いに参加している理由が理由だったから、自暴自棄になっているのかと思っていたけど。
甘えているのは自分の方か。両親とは最近会っていないけど学費と生活費は払ってくれているし、兄さんも風邪を引いた時には帰ってきてくれた。
家族愛を求めていたのは、俺も同じだったのかもしれない。
「今日だけじゃなくて、お前が泊まりたい時はいつでも泊まりに来ていいからな。来る時は事前に連絡してほしいけど」
「良いの!? 毎日泊まりたいくらいなんだけど」
「週4回までな。両立するくらいが丁度良いだろ」
嬉しそうに笑って頷くユーキに、思わず頭を撫でた。イケメンなのに、可愛い。弟だと思えているのか。これから家族ごっこをするわけだけど、何とかなりそうだ。
時計の液晶には名前の次に年齢が表示されて、ユーキは同い年だとわかっていた。双子の弟、ってところか。
「とりあえず、食材を買って帰るか」




