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災厄のダンジョンができるまで  作者: すばる


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6/7

質問でーす

質問を始めようかとかってカッコつけたけど、何聞けばいいのか全く決まってない…とりあえず、名前と趣味聞いとこうかな…?


『それ知ってどうするんですか!?もっとなんでここに来たのかとか、ここのことは誰かに話したのかとか聞きましょうよ!』

「確かにそうだな…じゃあ、1つ目の質問。お前ら、何しにここに来た?」

「たまたま見つけたから入っただけだよ。そのせいでこんなくそみてぇな目にあうし散々だぜ。なぁ?」

「…………」


ギャハ男じゃないほうは喋らない。今回はギャハ男が喋ったから許してやるか…


「そうか、じゃあ次だ。まだここのことは誰にも喋ってないんだな?」

「あ、あぁ、本当にダンジョンか確認してから報告するつもりだったからまだ誰にも伝えてない」

「本当か?」


じゃないほうに問いかける


「…………」

「無視か…じゃあ、仕方ないな」

「何をっーーぐぁ…!!」


ため息をつきながら、じゃないほうの右手に足を乗せる。怪訝そうな顔をしたじゃない法を無視して足に力をこめて…思い切り踏み潰す。

グシャリと、不快な音と感触を伴ってじゃない方の叫び声が洞窟内に木霊した。


「グァああぁああぁ!!!」

「て、テメェ!何しやがる!」

「質問に答えなかったからだろ?殺さなかっただけ優しいと思うけど?」

「クソッ…俺が答えてただろうが!」

「だからお前には何もしてねぇだろ」

「それが通ると思って…!チッ…」


ギャハ男が喚いていたが、一歩近づいて足を上げると舌打ちをして静かになった。


「じゃあ、次の質問だ。ここから一番近い街の名前は?」

「コリキシダ」

「その街の規模は」

「チッせぇ街だよ。やけに正義感のたけぇ騎士が多いから強請も強姦もしにくいったらありゃしねぇ。金払っても許してくれねぇんーーグァ!?何しやがる!答えただろうが!!」


ギャアギャアと聞いてもいないことを答えてくるギャハ男の顔を蹴り飛ばして次の質問に移る


「聞いたことだけ答えろ。街で最近何か変わったことは?」

「っぐあ!勇者とやらが召喚された」

「そうか…勇者とはなんだ?」

「オメェミテェな薄汚ねぇ魔族を殺す力を神から与えられた奴らのことだ」


ってことは、俺と同じく異世界からきたやつなのか?


「次、そいつはこの世界の人間か?」

「は?何言って…答える!元々は俺の知り合いだったやつだよ!勇者になってからは教会でいいくらししてるとか聞くけどよ…ムカつくぜ」


そうか、勇者はこの世界のやつがなるのか…まあ、聞きたいことは大体聞けたし次で最後にしてやるか…


「これが最後の質問だ、その力ってなんだ」

「わかんねぇけど、あいつは…神龍の息吹とか言ってやがったな…なんでも燃やし尽くす無敵の炎らしい…!答えた!全部答えたんだから解放してくれるよな!?な!?」

「あぁ、解放してやるよ。お前だけはな」

「は?」

「は?じゃねぇよ。結局答えたのはお前だけでそっちのは一個も答えてねぇだろ」

「んなの屁理屈だろうが!?」


すっごいキレてるけど、アイアンゴーレムに押さえつけられて顔以外動かせてない…滑稽だな

ギャハ男を一瞥してからじゃないほうの頭に足を乗せようとして


「うぷ…ぉえ…」


ーーできなかった

肉と骨を足で押しつぶす感覚が脳をよぎって、俺はその場でうずくまって嘔吐した。

そうしたら、先ほどまでの自分の異常に気がついた。気がついてしまった。状況に酔っていたなんて言葉では表せないほど、俺はおかしくなっていた。日本にいた頃の俺なら力があるからって、人の腕を踏み潰したり、顔を蹴ったりできるわけがなかったし、しなかった。

その事実を理解して、自分が自分じゃない何者かになる感覚が気持ち悪い。


「おぇ…なんで、さっき俺あんな簡単に…?」

『私ちゃんと言いましたよ?』

「は?何をだよ」

『もう一回言ってあげましょうか?お兄さんは魔王種になっているから、人間を殺すことにも抵抗がないでしょう?』


メルが、初日に言い残して行った言葉の意味を、俺はやっと理解した。

メルは、俺が同族だから人間を殺したくないわけじゃないことなんて最初からわかっていて…あの言葉は、魔王種という種族が人間を殺すことに、傷つけることに抵抗がない種族だってことだったんだ…


「それでも…殺すのは…」

『うーん、仕方ないですね。今回だけですよ?』


そう言って、メルが手に持った戦鎚を振り上げてじゃない方の顔を叩き潰した。

それを見て自分の手を汚さずに住んだことに安堵している俺は人間としてはもう壊れているのかもしれない…

そして、飛び散った脳髄と血液を顔面で受け止めたギャハ男は状況が理解できないと言わんばかりに放心していた。

アイアンゴーレムに指示を出して、ギャハ男を解放させるが呆然としている。


「な、何しやがったテメェ!?」


数秒後、ようやく事態が飲み込めたのか騒ぎ出したギャハ男の顔には先ほどまでとは違って明らかな恐怖の念が浮かんでいた。


「え、詠唱もなしに相手を爆散させる魔術なんて。き、聞いたこともねぇ!て、テメェ…なんなんだ!?意味がわかんねぇよ!」

「魔術ってなんのこと……あっそういうことか」


こいつらにはメルも、メルの戦鎚も見えないんだからさっきのは突然じゃない方の頭が爆散したように見えたのか…

チラリと、メルの方を見ると人差し指を口元に当てて『しーっ』とウィンクされたので何も言わないことにする。悪い、ギャハ男。勘違いでびびっておいてくれ。お前よりメルの方が優先度高いんだ


『お兄さん、そういうことにしておきましょう?その方が便利ですし』

「ま、そうだな…じゃあ、もうお前出ていっていいぞ。お前的には長居したくないだろうし」

「い、言われなくても出ていってやるよ!」


情けないへっぴりごしで逃げ帰るギャハ男の後ろ姿を見送って、俺のダンジョンの初防衛は終了するのだった。

詫び投稿2本目です

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