第21話 「強力な助っ人?」
「あなたが悪魔?」
おいっ結月っ。正面からぶつかるつもりかっ? ちったぁ警戒しろよっ。
……言ってもムダか。結月はこう見えてもスポーツマンだかんなぁ。
「あっ! オマエはっ!? アネさんっ、昨日の痴女ですぜっ」
「んん? なんだ、服を着てるじゃねーか。別人だよ」
「なに言ってんですかっ!? 顔をよく見てくださいよっ!」
……ボス女のヤツ、結月の顔を覚えてねーのか? 昨日の今日だぜ?
結月が裸だったのはアクシデントだっつーの。日中の町中で服着ずに外を歩いてたら捕まるだろーが。……捕まるよな? 未だにこの世界のジョーシキが分からねー。
ってか緊張感がねーなー。ホントにコイツらアクマ憑きなの?
「なぁ結月。コイツらをとっちめりゃ、試練ってヤツをクリアしたコトになんの?」
「悪魔の魔力を消耗させればいいって聞いた」
やっぱ、やっつけりゃいいってコトか?
う~ん、脳筋思考だなー。もっと平和的な解決法とかねーの?
「アネキっ、昨日の恨みを晴らすチャンスっすよっ。ホラっ!」
「お? おぉ……。オマエたち、フォーメーションを組むよっ」
「おいっ。ワシの話も聞けっ。無暗に暴れるんじゃ……」
「オマエは黙ってな!」
なんか、アクマ(?)のヌイグルミが3バカを止めようとしてっけど……。
なんだろな? あのヌイグルミ、アクマじゃねーの? 3バカよりはマトモに見えんだけど……。
「クックック……。アタシたち3人が揃ってりゃ、昨日のようにはいかないよっ! まずは【倍々ンド】ッ!」
さっそくかよっ!?
ボス女から黒いゴムみてーのが出て、結月が拘束されやがったっ。
……当然、ボス女も同じだ。やっぱ欠陥スキルじゃねー?
「馬鹿の一つ覚え。こんなの≪筋力……」
「おいっ! 今だよっ!」
「うぃっすっ! 【|美味しすぎて言葉が出ない《ミュートリュフ》】ッ!!」
「むぐっ!?」
どうしたっ? いきなり結月が呻いたぞっ?
なにが起こったんだっ!?
「ふふふ……。アッシの【|美味しすぎて言葉が出ない《ミュートリュフ》】は口の中にトリュフを召喚するチートスキルっす。あまりの美味さに声も出せないっすねぇ」
「……(もぐもぐ)」
…………アホか。
この世界のヤツら、アホなスキルしか持ってねーのっ!? 結月も「もぐもぐ」じゃねーだろっ!!
「クックックッ。どーだい? 美味いだろぅ? だけど、それもここまでさっ!」
「任せてくだせぇっ! 【|女の子は甘い誘惑に勝てない《シュガーパラダイス》】ッ!!」
「……ッ!? ぶぇっ!!」
「アタシの【|女の子は甘い誘惑に勝てない《シュガーパラダイス》】は、あらゆる食べ物を砂糖漬けにしちまうスキルですぜっ」
…………もうツッコまねーぞ。
「≪筋力……」
「させねーっすっ! 【|美味しすぎて言葉が出ない《ミュートリュフ》】ッ!」
「さらにっ! 【|女の子は甘い誘惑に勝てない《シュガーパラダイス》】ッ!」
「……っ! んべっ」
「クッハッハ……。どーだい、アタシらの拷問は? これに耐えられたヤツなんて、今まで4人しかいないんだよっ」
いや、いるんかいっ!? ……ツッコんじまったじゃねーか。
でもまー確かに辛そーな拷問ではあるな。グルメなオレじゃ耐えられそーにねーわ。……その4人って味覚オンチ?
「おにーちゃん。おねーちゃん、負けちゃうの?」
「いや、どーだろ?」
実際どーなんだ?
ボス女のスキルで動きを止めて手下2人が味覚破壊するって確かに恐ろしーし、魔法も封じられてっから逃げらんねーけど。ダメージって味覚だけだよな?
別にケガするワケじゃねーし、負けてもいーんじゃね?
オレがあの技を食らうのはゼッテー嫌だけど。
「おにーちゃん……」
いや、そんな目で見られてもオレにはどーにもできねーよ。オレが出てっても瞬殺されるだけだぜ? オレのケンカの弱さ、アカリは知らねーだろ。
く……。そんな目で見んなよ……。
分かったっ。分かったってっ。行きゃいーんだろっ。骨は拾ってくれよチクショーっ。
そう決心して、足を踏み出した時――。
「どうやら、お困りのようだな?」
「オっ、オマエはっ!? なんでここにっ!?」
「とうっ!!」
突然現れた助っ人(?)が宙を舞った。
……なんでジャンプしたの、オメー?
「3対1とは見るに耐えん。ここは我がバナナ、S・Bが助太刀仕るっ!!」
ホント、なんでこんなトコにいるんだよ?
ってかオメー戦えんの? アイツら、あー見えてけっこう乱暴者だぜ?




