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第1章 - プロローグ

試作品です。宜しくお願い致します。

2025年8月6日

東北地方の海沿いの田舎町にて一軒家に一人暮らしの男が息を引き取ろうとしていた。


 なんか楽になってきたな……。


シングルベッドで寝ている、

身体が薄い男は今まで腹部(みぞおち)に感じていた違和感が無くなり、

そのように思った。


男と同じ部屋に2人の女性が居て、

会話をしている。



「日本人の人口、16年連続減少で、

 1億2065万人になったみたいよ。」

「そうなんですねぇ。

 少子化は全然止まらないですねぇ。」


〜   〜   〜   〜   〜   〜


「今日も暑かったわね。」

「昨日、日本の最高気温更新したって、

 ニュースになってましたよ。

 たしか………、

 群馬県伊勢崎の気温が41・8度を

 たたき出したとか。」


〜   〜   〜   〜   〜   〜


「デーモン・スレイヤー の最新映画を

 子どもと一緒に観て来たけど、

 今回も映画興行収入が凄くて、

 日本映画の歴代興行収入TOP10から

 実写邦画が無くなったみたいよ。」

「やっぱり!!

 映画の完成度が期待以上って

 みんな言ってます。」


〜   〜   〜   〜   〜   〜


「明日は、5時くらいから、

 8回目の二刀流で出場するみたいね。」

「うちの祖母なんて、

 がんば〜れ! がんば〜れ!

 って、手を叩きながら、

 テレビに向かって元気に応援してますよ。」


〜   〜   〜   〜   〜   〜


男は、耳に入る2人の女性の声に、


 ゔぅん、なんか聞き覚えがある声が聞こえるなぁ…


そう感じていた。


「5時(PM5:00) になりますから、

 最後のチェックをそろそろしましょうか。」

1人の女性が言う。


「そうね。」

もう1人の女性が返事をする。


「しかし、

 10日も飲まず食わずで、

 まだ生きているなんて凄いですね。」

そう、看護士が言う。


「まぁねぇぇ。

 頑固者だったし、

 ―――自分でそう決めたんだから、

 しょうがないけど…………、

 人が死ぬのを待つのもきついわね………。」

そう、介護士が返す。


看護士が「ほんとにそうですねぇ…。」と返す。


 あぁ、お世話になっている、

 介護士と看護士の女性の声か……


男がそのように思っていると、

目が開いていないのに、

とても綺麗な光のカーテンらしきものが

遠くに見える(男はそのように感じている)。

そして、それを無性に掴みたくなる。


 ―――なんて…、

 ―――神秘的なんだ!!

 あぁ、―――あぁあッ…、

 ―――ア、アレを、

 ―――アレを掴みたいなぁぁあ………ッ。


男の本能が、アレを掴めと急かしてくる。

男の心臓の鼓動が速くなり、

また、鼓動が耳元で大きく聞こえているように

感じていた。

ドクンッドクンッドクンッ と聞こえている。

また、掴め、掴め、掴め とも聞こえていた。


 ―――ゔん〜〜〜、絶対に掴むぞぉおッ!!!


「―――あ、あれぇ………、

 ●●●さんが手を伸ばしていますよ!!」

女性看護士が男の行動に気がつき、

女性介護士に言う。

2人の女性は、

一週間ぶりになんらかの行動を起こした

男に対して驚いている。


男は何かを掴みたいのか、全力で右腕を伸ばし、

薄い身体は小刻みに震えている。

右手はグーパーの動作を何回もしている。


「●●●さん、●●●さん、どうかしましたか!

 ―――どうかしましたか!」

女性介護士が男の耳元で言葉をかける。


言葉をかけている時に、

男の右手が脱力したのか、

急に落ちる。

ドサァッ


「「ぅえ!?」」

急なことで2人の女性は驚き、声が出る。


「えッ…………、

 ―――まさか………。」

女性看護士が驚きながらも、

男のバイタルチェックをする。


「私、先生を呼んできます!!」

女性看護士が急いで立ち上がり、

男の一軒家に停めている車に向かっていく。



元 ジャパニーズ ブラックサラリーマン で

元 ■■■■■■■ の男は、

―――――こうして、この世を去った。



✿   ❀   ✿   ❀   ✿   ❀



 ゔぅん。。。

 なにか聞こえるなぁ。。。


ガギャンガギャンガギャンガギャンガギャン


死んだはずの男の意識が復活すると、

なにか金属がぶつかり合っているような音が

男の耳にまず聞こえてきた。


意識が復活した男は、現在、

腹部(みぞおち)に違和感を覚えていた。

また、吐き気のような感覚もある。


 駄目だ。吐く!


男が何かを吐き出す。

ゴパァァッッㇷ゚


「ゔぅっっつすぅー。」

男はそう声を漏らしながら、目を開けた。


開けた目に入ってきたモノは、

男の腹部(みぞおち)に何かが刺さっていること、

刺さっている箇所から血が染み出していること、

そして、先程、男が吐いたモノの正体であった。


 ゔぃッッ!?


男が驚愕していると、


「●●!! ●●!!

 絶対死なせない!!!

【グレイトヒール】」


いつの間にか男の近くにいた

淡く光を放つローブを着ている女性が

男の胸に左手を添えながら

そう言葉をかけてくる。

その直後、

女性の左手中指に嵌めてある指輪に付いている

綺麗なエメラルドカラーの宝石が強く光輝く。


男も綺麗なエメラルドカラーの光に包まれる。


 なんか楽な気分というか…、

 あたたかい気持ちになってきたな…。


そう男は思いつつ、

欧米風の容姿で、見た目が二十代の

地面に両膝をついている姿の女性を

しっかり見て、


 とても綺麗で、とても可愛らしい女性だなぁ…。

 ―――なんで………、

 そんな女性がオレのすぐ近くに………、

 ―――んぅ〜〜〜、理解が………うぅッ。


男がちょっとした混乱に陥り、

ふと視線を上に向けると、

光り輝く満天の星空があり、

神秘的に光輝く月も目に入ってきた。

しかも三つ!


 輝く月はいつ見ても………、

 ―――なんて、―――なんて、

 ―――とても…、とても綺麗だなぁ〜。


 しかし、

 ―――月が三つって!?

 どうなってるんだ………。


 ―――だから、こんなに明るいのか。


 ―――しかも、

 あれじゃあ………、

 信号機みたいだよなぁ〜………。


男がそう思うのは、

三つの月がそれぞれ違う色で

光輝いているからだろう。

"緑色"、"黄色"、"赤色" と。


「今日、一番強く光輝いている

 月の色は黄色なのに………、

 なんでこんなことに………。

 ―――――しかも、

 先程の強烈な白銀の光耀はいったい………。」

男の近くにいる、

とても綺麗で、とても可愛らしくもある女性が、

そのように言葉を発している。


男は次に目線を下に向ける。

すると、吐いたモノを再確認できた。


 ―――なんで、オレ………、

 こんな量の血を

 ―――吐き出してんだよぉぅ………。


男は、

口の中の独特な舌触りのモノが

血だったのかと認識し、

その後、

口の中にまだある血を舌で感じている。

そして、


 ―――でも、

 ―――ちょっとだけ、

 本当に、ちょっとだけ………、

 ―――――美味しくも感じるなぁぁ………。


 ―――もしかしてオレって、

 鉄分不足なのか???



そのように男は

舌で感じた血の感想を思いながら、

意識を無くしていくのであった。


ご覧頂き、ありがとうございました。

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