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⑷『ズルく生きても構わない』
⑷『ズルく生きても構わない』
㈠
そうだ、「ズルく生きるんだ」、という声は、痛切に街に響いた。誰もかれもが、ズルく生きて、利権を得ようと身体を酷使している。随分、気付くのが遅かったみたいだ。俺は俺で、これから、「ズルく生きるんだ」よな。
㈡
それにしても、世間を見渡せば、どこくらいの人口比率で、ズルく生きて居る人が居るんだろうか、ということが、急に気になり始めた。半分くらいだったら、俺もエントリーさせてもらうけれど、どうなんだろうか、知りたい気がする。
㈢
まあ、ともかく、俺はズルく生きるよ、そう決めたからね。真面目な奴程、早死にするし、俺も死にかけた時があったけれど、あの頃の自分は、確かに真面目そのものだったな。「ズルく生きるんだ」、そう、どこかに、白紙の用紙に書いて、張って置こうか。