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ニンカツその三十四「籠絡か死か、ナリア絶頂爆裂!」

「くっふぅうううう……っ!!!」

 二人の女の放つ淫気が混じり合い、蜜の匂いに興奮を煽られるが、《オレたち》はかえって平静を保つ。

 なぜかと言えば。

(ナリア、まだ堕ちてないよな?)

(ああ、起死回生の一手を狙ってる顔だ)

 ミミックの人外舌戯に乱されながらも、ナリアの目はまだ正気を保ち、唇を噛んで己を律している。

(何かしでかす積もりか)

(信じようぜ。弟子の秘策を)

((やっちまえ! ナリア!!))

「んんぅ……っ! んんんっ! むふぁ……あ、あ、あああ……んん、んんぅっ」

 部屋からあふれ、女騎士をよがらせるほどの淫気と魔力を吸収しても、まだミミックは咥え込んだ獲物を放さない。

 更に二枚の舌を宝箱部分からまろび出し、一枚をくノ一の乳房に巻き付かせ、左右の蕩乳を同時に嬲っていく。

「ひゃふっ! ふぁああ、ああ~っ! あっあっあっ、はぅうううんんっ!」

 下乳、横乳、腋乳と舐め上げ、ツンとしこり立った突起の周り、桜色の縁を舌先がツツツとなぞると。

 タリアはうううんと艶めかしい声を上げ、力の抜けた両腕を投げ出した。

「あふぁ、はぁっ、はぁっ、あぅううんっ! ひゃふっ、んひ、ひゃうううっ」

 緩急つけた愛撫に頭が溶かされ、つま先が切なく宙を掻く様がいやらしい。

「んんぃいい……もう放してぇ……みんなを、みんなを探さなきゃ……これ以上は、わたしぃ……っ」

 そこにもう一枚の、明らかに他より大きい舌が鎌首をもたげるや。

 糸引く唾液を滴らせ、左右に零れた双乳の谷間を滑り落ち、弱々しく喘ぐ兎少女の口元へ近づいて。

--ずぼぉっ!

「んぶぉっ!? んぶっ! ぬぶっ! ぐぷうっ! んんぶぅうううっっ!!」

 下がダメなら上と、可憐な唇をこじ開け、無理やりねじ込まれる怪物の舌が、くノ一の口腔を無慈悲に蹂躙した。

「ぐぷっごぷっぬぶぉっ! おぶっ、えぶぶっ! ぬぶぉっ! おぼぇ……っ」

 前後に力強く抽送する度、勢いよくよだれが飛び散り、頬袋を膨らませたナリアの顔が無惨に歪む。

「んぷぇ……んぉおっ、おぶっ、くぷぅ……っ! んっんっんふぅっ、ふぶぁ……っ」

 喉奥まで深々と肉塊を呑み込まされ、引き出されるたびに、大量に滴り落ちる白濁した媚毒。

 可愛らしい少女の顔を粘液がねっとりと汚し、くノ一の瞳が快楽と酸欠にぼやけ、四肢から力が失われていくのを感じ取った怪物は。

「んむっ!? んんんっ! んむ~っ!! んんんんっ! んぅんっ! んぅんっ! ん~~~~っ!」

 宝箱を模した外殻が軋むほど外套膜をうねらせ、少女が必死で閉ざす大切な場所へ、破城槌めいた大舌をめり込ませていく。

「んぃっ、んんぉっ! おうふっ! んぶーっ! んっんっ! ん~っ!!」

--ばんっ! ばんっ!

 一度は目の輝きを失いかけたナリアは、下肢を咥え込む肉ヒダに両手を叩きつけて藻掻いた。

「ふぐっ、んぐっ、むむぉおおっっ!」

 皮肉にもトドメを刺そうとした強烈な一撃が、ナリアの意識を覚醒させ、最高潮に高まらせたのだ。

 そして彼女は卓越した魔法の才、閃きのまま周囲の魔力を淫気もろとも収束させ、火照り戦慄く体奥へ導き、魔力の回路と炉を作り上げて。

 振り回す十指が複雑な印を組み、きっと瞳を輝かせた瞬間、臍の上に虹色の魔力が収束し、魔方陣を形作った!

「んぅむううううううううう~~~~~~~~っっっ!!!」

 淫気と共に下肢へ取り込んだ魔力が凄まじい快感を引き起こし、ナリアは恍惚に絶叫しながら、魔力を爆発させる!

--ドゥンッ!

 殻の内部、零距離で炸裂する衝撃波!

 火炎などの副次効果を伴わない、魔力を斥力に変換して敵に叩きつける単純な魔法だが。

「んっんっんん~っ!!」

 ナリアが魔法陣に注ぎ込んだ魔力は膨大、同時に張った魔力防壁が術者を守って外套幕がはみ出た開口部を塞ぐ。

 行き場のない強大な爆発力は、ミミックの内臓をぐちゃぐちゃに押し潰し、宝箱を模した殻に亀裂を走らせて。

 断末魔の痙攣に怪物の舌がのた打ち、淫靡な拘束から解放されるナリア。

「ぼほぉっ! げっ、げぶっ! んぁあああっ! あああああ~っ!!」

 だめ押しの魔力を炸裂させ、ひときわ高く啼いた兎耳くノ一の爆裂絶頂!

--バガァアアアアンンッッ!!

 蝶番(ちょうつがい)部分を中心に、爆散して砕け散る人喰い宝箱。

 ズタズタに引き裂かれた内臓が部屋中にぶちまけられ、血臭が扉の隙間からも鼻を刺す。

 その中心で操を守りきり、床に伸びて全身を余韻に震わせるバニーガール。

「はぁうぅ……や、やりましたぁ……オカシラさま、みんなぁ……わたしぃっ、でも、もう限界ぃ……このまま帰れない……かも」

 魔力気力体力を根こそぎ使い切り、意識を失い掛けるナリア。

「はぁっ、はぁっ、みんなぁ……」

 それでもパーティーの皆を案じ、頭を振って起きようと藻掻く。

「いいや、帰れるさ。他の皆もだ」

「オカシラ、さま……?」

 子供の姿の《オレたち》に戸惑う、彼女の頭を撫でてやって。

「あの窮地で諦めず、よく倒したな」

「死んでる奴もいるけど、まあ大丈夫」

「「やったな、ナリア」」

「本当に、オカシラさまなんですね! オカシラさまぁっ!!」

 《オレたち》は床に跪き、半裸のナリアを抱き支えると、怪物の体液を拭ってやった。

 そして彼女を励まし勇気づけるため、ニッと笑いかける。

「夢じゃ無いですよね! 助けに来てくれたんですよねっ!」

「ああ、本物だって」

「いつでも助けてやるよ。絶対にさ」

 気恥ずかしさを感じつつ、ぎゅっと抱きしめてやると。

 伝わる確かな鼓動に、《オレたち》も彼女の無事を実感して、思った以上に胸が熱くなる。

「無茶するなよ。心配したんだぜ」

「うぁわあああああああんんんっ!!」

 安堵の余り号泣するナリアの背をポンポンと叩き、あやす《オレたち》を見ながら、感じ入った声で呟く女騎士。

「素敵な殿方に巡り会えたのですね。師匠と弟子と言うには、まるで恋人同士のよう……羨ましいですわ」

 富と権力、裏返しの責任と利害、恩讐が茨のごとく絡みつく貴族令嬢の身で。

 自由な恋に憧れ、しかしそれは得られまいと諦観しているテリーヌは、眩しげに目を細めていた。

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