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Day2

彼女は学校にいた。くだらない授業を終えて屋上で黄昏ていた。

屋上はよい。ここは立ち入り禁止だ。だれもいない場所。春。わずかな風。心地よい。ゆっくりと空気を吸う。カバンから紙パックのリンゴジュースを取り出した。


一日の僅かなる楽しみ。


ストローが入ったビニールをはがす。ビニールの外側を勢いよく破る。唇で下側のストローを抑えて縮んだストローを伸ばす。


ストローの先端を挿入口に軽く当てる。


そしてスっとストローを落とす。穴が開き彼女はリンゴジュースを飲む権利を得た。口にくわえてリンゴジュースを飲み始める。


一口だけ飲む。渇いた口内に甘味が襲う。脳が果糖に歓びを感じた。喉の関所は食道を通した。喉の体温が急激に冷える。そしてそのまま胃へ…。


一口、一口…最初はそのルールを護った。ちびちびと体積を減らす。しかし、麻薬のように徐々に一口の量を増やしていった。甘い果実は麻薬だった。

ズズズズ…。


私の血液はなくなってしまった。


君の好きな果実は?

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