9話
次の日、アカウントを確認してみると。フォロワーが2,000人になっていた。俺はびっくりしすぎて30分くらいずっと布団で震えた。
コメントには、頑張って!!とか色々書かれてた。俺は改めて魔法少女の影響力を知った。俺はツイートで、感謝の気持ちを述べ、スマホを閉じた。
「思ったより、フォロワー増えたなぁ」
俺は、朝食の目玉焼きパンをかじりながら、テレビを見ていた。テレビではまた魔法少女のニュースがやっていた。ほんの数日前までは関わりのない世界だったのに、今じゃ関係ありありなことになっている。
俺は朝食を食べ終えると、身支度を済ませ、家を出た。なぜならば今日は俺がずっと前から楽しみにしていたゲームの最新作の発売日だからである。
俺は偽装体を使い、姿を男に戻して家を出た。家を出て、数分のところにゲームソフトを取り扱っているお店があるので、そのお店まで歩いて行った。
お店に着くと、案の定まあまあな列ができていた。この調子だと俺がソフトを手にするまで数十分はかかる。スマホを取り出し、スマホをいじりながら順番を待つ。
あと数分でソフトを買えるところまで来て、急に異変を感じた。ゾワゾワするような辺な感覚だ。俺は直感的に魔物の気配だと感じた。
何かのスキルが発現したのか??俺は、ステータスを表示すると、危険察知と言うスキルが追加されていた。このスキルは文字通り、周りに危険があるとそれを感じることができると言うスキルだ。
と言うことは魔物が近くにいるのか、俺は異変を感じた方向に向かうことにした。数十分並んだ列を抜けて、適当な路地裏で偽装体を解き、糸を利用してできる限りのスピードで移動した。
建物の上を移動していると、悲鳴が聞こえてきた。その悲鳴の方に近づくと、六メートルほどの大きな蟹のような魔物が街を徘徊していた。
見た感じだと、前の魔物のように知性はないようだ。俺はあたりを見渡した。周りは逃げ惑う人たちがたくさんいた。
その中に一人、逃げ遅れた小さな女の子がいた。女の子は足を挫いてしまったらしく、痛そうに座り込んでいた。助けなければ!
俺は建物から飛び降りると女の子を抱っこして、近くの大人に預けた。
「みなさん落ち着いてください!ここは私に任せて、非難をお願いします!」
そう言うと、街の人は少し離れたところに逃げた。
俺は、まず蟹の魔物にピアノ線を巻き付け、切断しようと試みたが、甲羅が硬すぎてなかなかきれなかった。
「クッソ硬いな!クソやろう!」
俺はさらに糸を巻きつけるが、身動きをとれなくするだけで、外傷までは至らない。
「斬撃がダメなら、打撃だな」
俺は右手に糸を巻き周りにピアノ線を巻き付け、拳を強化した。そして俺はカニに近づき、おおきく振りかぶって、カニをぶん殴った。すると、魔物の甲羅が砕け、そのまま蟹は消滅し、魔石だけが残った。
予想よりも呆気なく勝利してしまったが、それは俺がA級魔物と戦った影響で、だいぶ成長をしたと言うこということなのか?
俺は魔石をポケットに入れると。
「おねえちゃん!!ありがとう!」
さっき助けた女の子がそう叫んだ。俺は振り返り、女の子の方をみて
「どういたしまして!」
と言いそのままその場を去った。