7話
妹:お兄ちゃん学校に魔物出たらしいけど。
妹:おーい!おにーちゃーん
妹:不在着信
妹:不在着信
〃
こんな感じでメッセージがずっと来ていた。そりゃ兄の通う学校に魔物が現れれば心配にもなるよなぁ。
俺:大丈夫だよ。ごめんな携帯いじれなくて。
そう連絡して俺は家に帰った。
「ただいまー」
俺はいつも家に誰もいないけどただいまと言って家に入る。ふう、寝ていたと言っても家じゃないと変に疲れるよなぁ。俺は、冷蔵庫を開けて牛乳をコップに注ぎ飲みながら魔法少女の服の変身を解いた。
シャツパンツ一枚でテレビをつける。その瞬間
ガチャッ
「おにーちゃーーん!!」
と叫びながら妹がものすごい勢いで部屋に入ってきた。
「あっ…」
「えっ?…」
妹と目が合う。来るのが早すぎて、偽装体使えなかった。どうしようか…
「だっ誰ですか…。まさかお兄ちゃんの彼女?連絡できなかったってそういうこt」
「ちっちがーうわ!俺俺!」
そう言って自分を指さす。
「おっオレオレ詐欺ですか?」
「違うおれ!ゆうり!」
混乱する妹にこれまでの説明をする。変身するところも見せて、元の姿になるところも見せた。
「信じがたい話だけど、信じるしかない」
そういうと妹が抱きついてきた。
「よかった…。」
そう言って泣き始めた。うぅ、ごめんな妹よ心配かけて。
「ごめんな、優佳心配かけて」
少し落ち着いてから、お茶を用意して二人でこれからのことを話した。俺は魔法少女として、活動することや正体は隠すことなどいろいろ話した。妹は反対はしなかったものの、無理はしないでと言った。
それから俺の顔や体を見て
「羨ましい…」
と言った。なんのことだ??
それからは二人で晩御飯を食べ、なぜか一緒に寝た。次の日妹は、寮に帰るため見送った。そして去り際
「また来るね、お姉ちゃん」
「お兄ちゃんだけどな」
そう言って妹は笑顔で帰っていった。学校は昨日の件で休校になったので今日一日暇だ。
俺はこの体になれるために練習をすることにした。そう決めた俺は魔法少女モードになり、家を出た。ここから少し歩いたところに人気の無いいいところがあるのだ。
俺は行き道でドーナツを買うことにした。近くのドーナツ屋に向かう。
歩いて数分のところにある。ドーナツ屋は俺のお気に入りだ。街を歩いていると。周りの視線を感じた。
「あの子、魔法少女かしら?可愛いわねぇ」
「見たことないけど新人さんかな?」
などと話し声が聞こえる。まぁこんな身なりで歩いている奴なんて魔法少女以外にいないからなぁ。俺は有名人になった気分だなと思った。
ドーナツを無事に買い、人気の無い橋下の広場に着いた。ここで自分の能力を色々試そう。
まずは、糸の性質変化だ。前回の戦闘で、金属の糸は出せた。次は粘着性のある糸が出せないか考えた。理由はただ一つ、世界的有名なヒーローに憧れているからだ。
俺は先だけ粘着性のある糸をイメージしてみると。意外と簡単にできてしまった。
「おぉ!!これはすごい!」
俺は早速例の蜘蛛男の様な動きをしてみた。イケる!イケるぞ!!一通り遊んだあと、天井に糸をつけて逆さまにぶら下がってみた。これもやってみたかったことだ。できたはできたが、問題が発覚した。
それはパンツが丸見えになることだ。俺の格好はドレスの様な服で。スカートは少しふわふわした様な格好をしているため、結構見える。これは使わないことにした。
次に出した糸を消すと言う実験だ。前に少し試したのだが、出した糸は、何もしなければ一日たたないで消えるが、意識すると早めに消せるかと言う実験だ。結果、消そうと思えば消せる。
それから俺は、実践に使えそうな技を色々模索した。一つ目は、武器の生成だ。金属の糸と粘着質の糸普通の糸を利用した。簡易的なバットの様な武器だ。最初は剣を作ろうとしたのだが、そこまで細かいものは作れなかった。
二つ目は、手足に瞬間的に糸と金属の糸を巻いた。メリケンサックの様なものだ。欠点は練習をしておかないと。実践に使えるほど早く手足に巻くことができないことだ。
そんなことを考えていると、俺は疲れてしまい今日は切り上げることにした。
帰りに洋服屋で、女物の服を買った。流石にこのザ・魔法少女の格好でうろつくのは気がひけるからだ。買った服は白いスキニーに黒い少し大きめの長袖だ。まぁそこら辺にいる女の子と同じような服だ。
家に帰った頃にはもう16時をすぎていた。