13話
朝起きると妹が朝食を用意してくれていた。トースト2枚にホットミルク。召し上がれとニコニコしている妹の頭を撫で、トーストにかぶりつく。サクッと軽快な音を立てた。
「ユウカ、焼き加減最高だな!」
「でしょ?完璧な狐色に焼けたもん!」
妹は嬉しそうにホットミルクを飲んだ。
「てか、お兄ちゃんその姿だと、私の方が背が高いんだね。」
妹の身長はだいたい150後半くらいだから、俺は150前半くらいになるのか。
「背がお前の方が高くたって、俺が兄であることに変わりはないのだ。」
「今は姉じゃない?」
「あそっか。」
「元の姿にはならないの」
「元の姿に戻ると魔力を少しずつ消耗するから、出るギリギリまではこの姿でいるよ。」
「へぇーそんな仕組みなんだね。」
そんな他愛もない会話をしながら朝食を済ませ、偽装体で姿を戻し服を着替える。
そういえば俺のSNSどうなってんだろう。俺はスマホを開き、フォロワー数を確認する。
「は!?2万人?」
スマホの画面には2万の数字が表されていた。ネットはすごいなぁ。投稿のコメントには俺の情報が気になるとか、皆さまざまな疑問をコメントしていた。俺は見なかったことにし、家を出た。
バス停にはサッキーがいた。俺はスマホをいじっているさっちんの後ろに回り込み。肩をポンと押し
「おはよー!サッキー!」
そう声をかけると、サッキーはわー!と大声を出して飛び跳ねる。予想外に大きい声に俺は少し驚く。
「おまえぇー。びびらすなよ朝からぁ。」
「ごめんごめん。そんな驚くとは思わなかったよ。」
会話をしているとバスが来た。そして俺たちはバスに乗り込み。隣同士に座る。
「そういえば、俺らのこと魔物から救ってくれた新人魔法少女いたじゃん?」
「あー。いるね。」
急に俺の話題が出て少しぎこちない反応になる。
「あのこ、結構こっぴどくやられたらしいけど、なんとか無事らしいよ。本当によかった。あの子がいなかったら俺ら今頃死んでたよなぁ。」
正直あのときは自分の無力さに押しつぶされそうになっていたから、サッキーの今の発言を聞いて俺の心は少し軽くなった。
サッキーと話してわかったことは、ネットに載っている俺の情報は、名前が夜霧、能力は糸状の物体を操り戦う。黒髪で蒼瞳そしてドーナツが好きらしい。これくらいだった。てか、ドーナツ好きなのいつばれたんだ?
俺が他の新人魔法少女の中でも飛び抜けて知名度が高いのは、他の新人と比べると強さが段違い、そしてA級魔法少女アリスが俺とのことを話していた。というのが主の要因らしい。
学校につき席に座る。しばらくするとやっちんが、楽しそうに教室に入ってきた。
やっちん「みんなおっはよー!」
やっちんはルンルンと歩きながら俺の前に来る。
優里「やけにご機嫌だな。なんかあったのか?」
やっちん「俺は、夜霧ちゃんにメロメロなのだ。」
優里「魔法少女なんてたくさんいるじゃないかなんでそいつにメロメロなんだ?」
やっちん「まずな、彼女は俺たちを助けてくれたんだ。その時の姿ったらかっこいいの何者でもない!そして俺は昨日見つけたんだが!!」
といいスマホの画面を俺に見せる。
優里「げ!」
スマホの画面には俺がsnsに投稿した自撮りだった。
やっちん「見てくれ!この美しい瞳!そしてきめ細かい肌!!これは可愛いとかそういう次元じゃない!芸術だ…。しかもなぁ。これ、多分ただのノーマルカメラだ。」
優里「あ、そう。」
俺はやっちんの熱意が凄すぎて、少しのけぞる。
サッキー「やっちん少しキモいな。まぁでもこの夜霧?て魔法少女は、俺たちの命の恩人だからな。これからも頑張ってほしい。」
応援もしてくれてることだし、これからも頑張るとするか。