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異能部  作者: KAINE
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自宅の日常その4

 猫というのは自由な生き物の象徴と言っても良いくらいに自由だ、特にイエネコなんていうのは自由気儘好き勝手な体言者だろう、可愛さ極振りで生きているだとか、自分で自分を可愛いと知っているだとかあざといくらいに可愛いだとか言われるのも解らなくは無いくらいに自由に生きている。

 にゃんにゃんナゴナゴと鳴きながら部屋を縦横無尽に闊歩して、そこに誰が居ようがお構いなしに昼寝をしたいなら膝を占領し、此方が遊びたい時は見向きもしないで勉強だとかに必死になっていると構えとばかりにノートやパソコンの上でゴロンゴロンする。

撫でても向こうが飽きれば何事も無かったかのように立ち去り撫でようとしても触らせてもくれない時だって有る、犬は飼う猫は飼われるなんて事を言う奴も居るが全く至極当然の様にその通りとしか言い様が無い。


 「ユキちゃんちょっと太った? ダメだよ節制しないと、すぐおデブになるよ」

 「最近おやつネダリまくる時期が来てるからな、俺から貰っておいて何食わぬ顔でお袋とか凛子から貰ってるし」

ゴロゴロと喉を鳴らしながら菜慈美の膝を占領しているロシアンブルーにも似た見た目の真っ白な雑種の雌猫、我が家のペットたる雪美さん4才、飼い出した頃なんかはコイツを見る度に猫の名前は短いのかと思いもしたが今さら感が否めなくて結局受け入れる事になってしまったがユキはユキで人懐っこく猫らしい猫で子猫の頃は傍若無人に大人になってからは勝手気儘に過ごしている。


 喉元をクリクリと撫で回されるままの彼女は愛嬌を振り撒いているのか、はたまたマーキングでもしているのか、そっと手を伸ばして肉球をプニプニとマッサージしてついでに爪の延び具合もチェックする、定期的に爪研ぎはしているようだが伸びる時は伸びるからな、まぁ雪美は大人しく切られてくれるから楽だが、と言うかコイツは風呂好きで撫でられ好きで猫らしい傍若無人さとお前は前世犬だろってされるがままを両立させている猫だ、とりあえず爪は問題ないし肉球に傷とかも無いな、毛並みも良好だし内蔵の動きに気になる点も無い、健康その物だが客人の膝の上を占領する事だけは忘れないってその思考は問題だろう。


 「あぁお義姉ちゃん来てたんだ、ユキちゃんほら行くよ、お家デートの邪魔しちゃダメ」

 「お家デートってか卒業後の予定積めてたんだがな、まぁ構えモードのユキのせいで全く進んでないが」

 「じゃあ預かるよ、やっぱ重いねー、今日はおやつは?」

 「さっき私が煮干し与えたわよ」

 「じゃあ晩御飯まで待てだね、レーザーポインターで遊ぼっか」

 ウニャルニャアと抗議をしているが『乙女に重いとか言うな』と言っているのか、はたまた『あの程度で足りるか』と言っているのか、それでも抱き抱えられて大人しく妹の部屋に連行されていくから満足はしたらしい。


 「んで、研究室とランドリールームは確定みたいだが」

 「後お風呂とトイレは必須でしょ? どうせ泊めるようなお客ってシズちゃんか会長くらい? 後は鈴子ちゃんと来日したリリーくらいだけどあの娘はロングステイも考えるとして、客室は二部屋も有れば良いでしょ」

 「少なくとも後輩は勉強合宿で監禁、もとい泊める必要有るしな、ノートのコピー渡したくらいじゃ卒業危ういぜあの娘」

 「否定できないわね、ようやく全教科赤点から苦手教科赤点まで持ってきたくらいだし、まぁオール一桁のあの頃に比べれば二桁は余裕な今は信じられないくらいだけれども」

 「むしろ俺らでそれってのが問題なんだがな、親父でもぶちこめばもう少しマシになるかもだが、まぁ向こうのご両親的には今でもホクホク顔らしいがいくら無遅刻無欠席でも進級できない説有ったくらいだし」

 「とりあえず、あの娘の合宿は覚悟必要だけど、その頃には仕事してるわよね? もしかして私孤軍奮闘?」

 「仕事が休みの日はともかくそれ以外はそうなるな、最悪会社に連れてきてミッチリってのも手だが絵面最悪だろ、嫁と女子高生を社長室に連れ込んで数時間だぜ? それも帰りは車で送迎だ週刊紙の記者がアップ始めるどころか垂涎で尻尾振って爆速でやってくるって」

 「最悪板田に押し付け、もとい頼むしかないわね」

 「たぶん断らないとは思うが1日で匙を投げそうだ、俺も我ながらよく付き合ったと思えるしな、マジでアレに頼んで勉強大好き人間にでも改造して貰おうかと思ったし」

 「やれば良かったと思う私はきっと酷いんでしょうね」

 「本気で考えるくらい酷かったって証拠だろうな、多少は成長してくれたからまだ良いがこれで成長してなかったら頭抱えるのが向こうの親とで四人になってた」

 「校長と担任も抱えるから少なくとも六人抱えてたわね、とりあえず家の事済んだら来年の勉強スケジュール組みましょうか、大学は決めてないらしいけどFランとは言え厳しいでしょうし」

 「基礎はこの2年で鍛えたしテストの小技も叩き込んだから後は苦手教科の克服と捻った問題への対応か、応用含めて復習ってのを念頭に組むのがベターだろ、あぁ一応少しは基礎固めもしておいた方が良いか、忘れてるかもだし」

 「そうね、とりあえず数学と化学と英語をどうにかね、国語はBL小説でどうにかするとして社会は歴史的なの得意だし現代社会とか法政を伸ばして、むしろ毎日家庭教師とかやった方が良さそうね、ご両親に相談した方が良いと思う?」

 「週4を3時間くらいかね? お情けで息抜きも必要だろうし、格安で引き受けるのが気を使わせないで済むだろうし子供の小遣い程度として月一万のマンツーマンたまにマンスリーマンでってのが落とし所だろ、経済的に厳しそうなら流石に言えんが聞いてる限りじゃそんな雰囲気無いしな、ただ向こうの家にはお前しか行けないからな、俺が顔出したら弟君が最悪マーライオン化するし」

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