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異能部  作者: KAINE
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ある姉弟の日常

 「何してるのこんなとこで、って顔青いけど大丈夫?」

 「姉ちゃんどうしてあんな化け物と一緒に居るの?」

 「化け物? えーっと男鹿先輩の事? 顔青くするほど」

二度目のマジックショー(異能)を終えて、休憩半分見て回る半分で校内を回る中で目ぼしい物を探すために入れ替りが激しく何百か何千代目のハエの死体、ベルゼも使って探索していたら職員棟の端で膝を抱えた弟を見付けて足を運んだ。


 「おいおい先輩捕まえて化け物って酷くね? そりゃあ化け物だけどさ」

 「うーん、あんなに顔青いって事は物理系の異能持ち? 姉ちゃんとか呼んでたけど弟なら姉弟で異能持ちってかなり珍しくない?」

 「えっと、弟です」

 「で、物理系、俺と同じでサイコキネシスと見た、説明は本人と菜慈美に丸投げするとして、俺が居ると毒にしかならんな、次の講演まで部室使うといい、俺は空の上で昼寝でもするよ」

いつの間にか後ろに居た二人の先輩に面食らうが何か物凄く気を使ってもらった事だけは理解できた。


 「さて、とりあえず紅茶で良い? それともハーブティーにする、落ち着くわよ」

 「まだ顔青いしカモミールティーでしたっけ? リラックスできるのをお願いします」

 「じゃあカモミールで」

 テキパキと抽出されていくハーブティーをカップに注ぐ、独特の香りが広がる中で給仕を済ませて砂糖とお茶漬けをテーブルの上に移動させていく、自分が淹れたならこうはいかないだろう。


 「とりあえず自己紹介から初めましょうか、私は音矢菜慈美さっきのが男鹿松平……男鹿よ」

 「今、明らかに諦めました感が強いんですけど」

 「ほら、無駄に長いし本人も居ないし気にしないから」

 「で、貴方のお名前は?」

 「深井昌介」

 「因みに今中二ですよ」

 「ふーん、で、念働か空間の異能持ちね」

 「はい、サイコキノです」

 「で、たぶん物理エンジンって私達は呼んでるけど、感知範囲広い、いや精度がかなり高い?」

 「範囲は10mくらい、精度はたぶん高い方です」

 「一つの線引きとして、空から降る雨粒を全て把握できるなら超一流って言われてるけど、どう?」

 「小雨くらいならなんとか」

 「そりゃあキツいわ、とりあえず三日くらいは夢見が悪いでしょうけど一週間も有れば落ち着くわよ」

 「その上で、慣れるしかないわね、私とか家が隣だからそれしか無かったし、半年も有ればなんとかなるわ、後はもう人となりってのを知るしかないけど、知っての通り貴方のお姉さんや私の回りに障壁有るでしょ、アイツの異能の一つよ、もしかしたら町の中で綺麗な女性とかに張られてるのもね」

 「これだけで解るとおり、アレはただの女好きの高校生よ、ちょっと洒落にならない力を持ってるだけでね、安心なさい敵対しない限りそれが貴方に向く事はないしシズちゃんの手前、敵対したところで茶化されて終わりよ」


 「さて、じゃあさっきから頭の上にハテナマーク飛ばしてるシズちゃんに説明すると、私達みたいな物理干渉系って言うのかな物を動かすとかの異能だと、空間把握能力がセットで着いてきて、やろうと思えば際限無く鍛えられる数少ない副産物なんだけど、一つ弊害が有ってね」

 「弊害……ですか」

 「そ、私と昌介君とか、他の物理系でもだけど、互いの感知範囲に足を踏み入れると歪むのよ空間が、しかも無意識に自分に使ってる補助とかの異能が見える、見えるってのはちょっと違うか、で、相手の感知能力が上だと物凄く歪むしその上相手の異能が強いと、うーん言葉が難しいけど漫画とかで強敵のオーラ的なのが見えるわけ」

 「アイツクラスになるとそりゃあもう歪みまくりよ、度の有ってないメガネ着けてるみたいな感じになるしオーラが半端無いから余計に歪み、結果として酔うのよね、こう、嵐の中で上も下も右も左も解らないくらい揺れる船って言うか、大きな洗濯機にでもぶちこまれた感じ? そりゃあ顔も青くなるわよ、その上でオーラの大きさが嫌でも解るし絶望よね、だって本人が何度も言ってるけど地球なんか角砂糖とか肉まんとか薄い煎餅より簡単に壊せるし、なんなら地球が千個並んでても全部一度に壊せるし」

 「その理由も今まで何百何千と有ったし人間なんて生き物に辟易としていて当たり前って仕打ち受けてきて、それでもまだ世界を滅ぼしても支配してもいないってだけで少しは信用できない? まぁ簡単には無理でしょうけど、幸いな事に近所には住んでるけど出会う事ってそんなに無いって言うか、その様子だと今日の今日までニアミスは有っても範囲内に入る事は無かった訳だし、そんなに深く考えなくても良いんじゃない、アイツも顔青くしてる子をいたぶる様な悪趣味は持ってないし」

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