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異能部  作者: KAINE
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異能部の日常その15

 異能部部室には菜慈美と が持ち込んだ複数の茶器が乱雑に置かれている、マグにカップに湯呑みもあれば急須にポットも有る、無いのはコーヒー用具くらいでこちらはインスタントのみが置かれていて何を好んでいるのか一目瞭然だろう、元々は菜慈美がティーパックの紅茶と茶器を持ち込んだのが始まりだが気付けば色々と集まっていき。

 茶葉もガラスの容器に複数の種類が入っていて、紅茶だけでもダージリン、アッサム、ニルギリ、キャンディ等々、烏龍茶に鉄観音茶、緑茶なら玉露から粗茶まで取り揃え、ハーブもそれなりに揃えているが力の入れ具合からして紅茶党なのは誰が見ても明らかだ、取り揃えた本人に言わせればビールとかの方が旨いと言うだろうが仮にノンアルコールでも学校で呑むのは差し障りしかない。

その異様なまでの取り揃えは学内随一、学校に来た客が紅茶好きならば教師が拝借しにくる程度には認知されていて、これで学校非公式グループなのだから色々と間違っている、一応は校長預かりだが彼が紳士然としているため紅茶を多数取り揃えているのだとまことしやかに教員達の間では囁かれているが実際に時期になるとその年のファーストフラッシュが校長室に進呈される、その辺りも噂を加速させる要因だろう。


 電気ケトルで沸かしたお湯で手早く紅茶を抽出してカップに注ぐ、後はそれぞれの好みで砂糖やミルクやレモンを加えるが用意こそされているが部員全員がノンシュガーノンミルクノンレモン派、たまに菜慈美と沈華が砂糖を入れるという程度だ、お茶請けこそコンビニだとかスーパーマーケットで売っているクッキーやクラッカーだったりするが茶に関しては喫茶店の類いで出される物と遜色はない、この部室でチープなのはコーヒーくらいだろうが一応はそれなりに高めのインスタントコーヒーを用意しているため物凄く五月蝿いのを連れて来ない限りは問題にもならない、拘ると言うなら豆を煎るところからスタートする必要があるが学校にそこまで持ち込めば流石に目溢しは貰えない、コーヒー部とか立ち上げでもしない限りは不可能だろう。

 まぁ本気で拘ると言うならば茶の木やコーヒーの木を育てる所からになりそうだがそこまで行くと趣味の範疇を大きく逸脱して生業とか天職とか根幹のソレだ。


 「今日のブレンドは当たりね、何処の?」

 「駅前の喫茶店のマスターに頼み込んで分けて貰った、彼処色々と揃ってるからな、ネットのも悪くは無かったが段違いだ、配合は流石に教えて貰えなかったがな、お前の部屋で分析とかできねぇの」

 「無理ね、機械が無いもの、研究室が完成したら機械入れたいけど、高いから暫くは無理でしょ?」

 「男の甲斐性とかいう意味不明な奴で買ってやりたいが会社の建設とコンテナの購入でほぼスッカラカンだ、社員に払う給料と税金考えたら無理だな、外国から宇宙関係のでかい仕事来たら少しは楽になるが、後は放射性物質の封じ込めだが今のところお呼びは無しだ」

 「仕事始まったら少しは楽になるんじゃ」

 「さてな、誰にもできないオンリーワンだが上手く行く保証は何処にもない、上手く行けば日に5人も来たら従業員食わせるくらいは余裕だろ、ローン有るから8人は来てほしいが、もう少し形になったら観光バス辺りに売り込み掛けたいが、門前払いかもな、門前払いされたら向こうから泣き付かれても中指立ててやろうと思ってる」

 「そこは大人になりましょうよ」

 「目には目を、歯には歯を、悪意には悪意を、殺意には殺意をが俺の心情なんでな門前払いには門前払いで返して熨斗まで着けてやる」

 「なんと言うか、らしいですね、ぽいと言うか、この数年見てきてだろうなと」

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