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異能部  作者: KAINE
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短編集その2

 「今日は板田見てないけど、連絡有った?」

 「昨日の夜に鯖食ってアニーにやられたらしい、今病院だそうだ」

 「あー、苦しいらしいですね、半生だったんでしょうか?」

 「だろうな、基本アイツら生で食わないと問題にならんし、冷凍するか火を通すかしたら食中毒になる事もない、念のために言っておくと良く噛めば良いみたいな暴論信じると泣きを見るぞ」

 「なんか真が入ってませんか」

 「コイツも昔アニーに泣かされた口よ」

 「あれはキツかったな、マジであの時ばかりは爆弾が救いに見えた」

 「死ねば治るですか、相変わらずチートですよね」

 「死ぬまで地獄ってか死ぬのも地獄ってか、最近、俺の死生感はこれで良いのかと考えてしまう」

 「不死故の悩みね、持たざる者から見れば自慢にしか聞こえないけど、貴方の場合は寿命とかも怪しいしろくな死に方しないだろうし」

 「寿命で死んで直近の最善に戻るか、年老いて病気とかなりがちで、直近が50幾つとかだともう20年は余生だし、それで死んでもまた巻き戻ってを繰り返して、最終的に直近の最善が70幾つになって、下手したらそこから50に巻き戻って、赤ん坊にまで戻って、それでも死ねないって生き地獄か、俺の寿命はさて何歳なんだろうな?」



 「えー、では此処で解散とする、皆寄り道せず気を付けて帰るように」

 羽田空港の一角で修学旅行を終えるのも西岸高校の伝統の一つだ、なんなら初日も朝に羽田集合が伝統で開校当時はまだ汽車だったが、駅集合駅解散が当たり前、自主性を高める意味でもこれは大きな機会で自己責任で行動する必要があるというのは早ければ数ヶ月後には社会人となる学生にとって良い経験となる。

まぁ羽目を外してそのまま東京に繰り出す生徒も居るが残念ながら原宿新宿駅には既に教員が向かっている、その網を抜けるには事前に一週間は預けておけるコインロッカーにでも私服や鞄を入れて何処かで着替えるしかない、その場合制服やスーツケースをどうするのかという問題も出るが手を変え品を変え、毎年の様に掻い潜る猛者は居るのだ。


 「あぁ、やっぱり菜っちゃんだ、今帰りかい?」

 「おや、伯父さん、そっちは今から出張ですか?」

 「いやいや、今帰った所だ、いくら僕が社畜でも帰ったその足で出張は断るよ」

 「そう言いつつ3日後にはまた出張でしょ?」

 「今回は一週間は休めるかなぁ、今週末には一応東京でショー有るし、そっちの準備の方で忙しい」

 「最終調整だとかでもう一回出張に百円」

 「そのまま二週間走り回るに千円」

 「止めてよ、その未来が見える様だから、ところで、リリーさんはお久しぶり、そっちの子は?」

 「板田挑です、よろしくお願いします」

 「ジミーdaddy久しぶりです」

 「うーん、この人数だとタクシー無理だよね、どうせ経費だから送って上げたいけど」

 「車なんで大丈夫ですよ? なんなら乗っていきますか?」

 「あぁ、それは良いな、さっきはああ言ったが経費削減と煩いのは何処も同じでね、迎えが来るのはありがたい」

 「いや、普通に俺が運転するんですけどね、伯父さんが準中免より上持ってるなら任せますが」

 「持ってるけどペーパーだから」

 「それ以前に男鹿、校則違反だぞ」

 「おいおい元会長、ダメだぜ条文はちゃんと読まないと、校則だと制服かジャージでの登下校、徒歩か自転車のみ、プライベートだと制服ジャージでのバイク自動車の運転は禁止されてるが車の中で着替えちゃいかんなんて一文字も書かれてないし今回は登下校じゃない、拡大解釈したとしてもグレーだよ」

 「うーん、これは緒方君に伝えて少し考えた方が良いのか? しかしお前みたいなイレギュラーが現れるとは思いたくないし、今回は見なかった事にしよう」

 「じゃあついでに乗ってくか? 少しは悪に染まろうぜ優等生、そっちのロリなんぞ既に乗車確定だし」

 「断っても帰るのがめんどくさいだし諦めが肝心か、後ジョンソンさんは楽しければオッケーな人だが流石に……なんでもない」

 「お目々キラキラさせてるな、ワクワクが止まんねぇって顔してる、ただのキャンピングカーでアメリカスケールから見たら小さいんだがな」

 駐車場に移動して男だけキャンピングカーの中に入る、そのまま手早く私服に着替えて外の二人を乗せてようやく帰宅だ、その前に空港名物のバカに高い駐車料金を払う必要があるが。

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