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異能部  作者: KAINE
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修学旅行の日常その3

 札幌で一泊してそのまま時計台を観光する、名だたるガッカリスポットはその名を体現するが如く都会のビルの狭間でこじんまりと佇んでいる、当時を思えばランドマークとして大きな建物だったのだろうが今では本当に小さな建物になってしまっている。

 与えられた自由時間を堪能するように三々五々に別れていく、班分けも何もなく、己の裁量で動く必要がある、おおよそ1時間で土産物を買いにいく者や観光する者と本当に自由になる。


 「校長、良い所に、ちょっと手伝って貰えませんか?」

 「なんや? ワシにできる事やったら手ぇ貸すけど」

 「ちょっと遠方に欲しいのが有りましてね、一飛びで酒を仕入れにいこうかと買おうと思えば何処でも買えますがやはり現地で買うのはロマンなんで」

 「あー、もう何処行くんか解ったわ、ワシも一本欲しいし構わへんけど」

 「じゃあ失礼して」


 「身一つで空飛ぶんわ流石に初めてやったけど案外オモロイな、えぇ土産話になりそうやわ」

 「なら良かった、とりあえず博物館も併設されますし見て回ります? それとももう直売行きます?」

 「せっかく此処まで来たんやし五分有れば帰れるしな、念のために土産買ってからにしよか、ノンエイジの小さいのでエエか」

 「まぁ予算的にはそうなるでしょう、校長が職務忘れてくれるなら最高品買いますけど」

 「聞かんかった事にしといたるけど流石にそれはできんな、幾ら持ってきたんか聞きたいようで知りたないわ」

 「諭吉さんが一学年程、後カードが数枚」

 「ワシ知りたないって言うたよな」

 「フリかと思いまして」

 「ちゃうわ、て言うか百以上持ってくるな、なんのための指定や思てんねん」

 「俺から金盗むとか不可能でしょ、菜慈美が例外ですがアイツは普通に断って持っていきますし」

 「三年も見てきたけど自分程解らん生徒も初めてやわ、 まぁ時間もあんまり取れんしサクサク買って見て回ろか」


 ウィスキーと菓子類を幾つか買い込み博物館の展示を見たり撮影したりしつつ見聞を広めて時間まで十分程となった所で一飛びで札幌まで引き返す、普通なら1時間では往復どころか片道がやっとでも空という渋滞の無い空間をフリーに飛ぶならばあっという間だ。

 ただし間に合ったからと言って怒られない訳ではない、監督者が着いていたとは言え、いや監督者が着いていながらの蛮行は移動中生徒指導担当から説教を二人して受けるという珍事は学校始まって以来だろう、喧嘩してとかなら何度も有ったが校長と共に酒を買いに片道60キロ近くも移動とか前代未聞だ。

途中で何ヵ所か寄りつつ夕張に移動、一泊してさらに東を目指しながら旅は続いていく。


 何度も電車を乗り降りして宿泊してようやく最後の目的地である根室まで、北海道のスケールの大きさを体感するには十分過ぎる程で生徒にとっては良い経験となる、一人だけその辺りのスケールがぶっ壊れているのも居るがやろうと思えば秒で地球一週できるため大きいとは言え北海道ではやや足りない、木星辺りを持ってきても秒で宇宙の端から端を移動できる、残念ながら現実世界の物差しでは足りない。

 大量のスパコンを並列して広大なゲーム世界で作り出せばどうにかはなるだろうがその世界に入れたとしても現実より好き勝手できる、秒さえ超えてコンマ単位で世界を壊しながら飛べる、ある意味バーチャルな世界に行けるならばそここそが が全力を出せる場所になる。

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