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異能部  作者: KAINE
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修学旅行の日常その1

 学業に置いて主なイベントは五つ、入学卒業、体育祭文化祭、そして修学旅行、それ以外だと転校生や急な新任教師くらいだろうか、後はせいぜい教育実習生とかだが西岸高校は受け入れをしていないため除外して構わない、小中校を問わずおおよそこの五つが最大のイベントで内二つが送辞や答辞の定番だろう。

 基本的に文武の武よりである西岸高校では三年生で修学旅行を経験する、その割には進学率は悪くないが武よりだけあってスポーツ推薦等が他校より高く偏差値で言うならば中の上をやや越える程度、勉学での進学率も悪くはないが旧帝大や有名私学に絞るならば県の平均値にやや届かない、それが修学旅行と関連するかは不明だが校風が修学旅行と関連しているのは間違いがない。

何せ冬に北海道だ、受験も佳境って次期にわざわざ北海道まで出向いて各地でスキーをして適当に自然を見て回り温泉を梯子する、これで平均値にやや届かないくらいならば上出来と言うか奇跡的と言えるだろう。


 「寒いし気圧低いし、地獄かクソが」

 電車に揺られながらダウナーな雰囲気を隠そうともせずに、と言うか普段では考えられない程に憔悴した表情の が怨嗟の声を上げる

 「寒さは防げるでしょ? 気圧は吹っ飛ばしなさいよ、可能なんだから」

 「寒さは兎も角として、気圧はそのままにしておいてやれ、変に吹き飛ばして作物に影響が出たりしたら事だ、この大地で育まれる作物の多さは抜きん出ているし下手をすると酪農に影響があるかもしれん」

 「来るんじゃ無かった、一昨年は夏だから良かったが、どうせもう一度来るなら夏にツーリングが良かったな、ついでにアバンチュールとやらを楽しめたのに西高東低とか死にたくなる、死んでも生き返るが」

 「まぁそう言うな男鹿、音矢君の手前言いにくいが、ほらゲレンデの女神探しでもしたらテンション上がるんじゃないか? それこそ誉められた事では無いが修学旅行の定番で温泉の覗きとか、お前がそんなだと張り合いがない」

 「覗き? んなもん見ずとも形解るんだから何が楽しい、色までは解らんがそんなのどうでも良いし、つーか見たいなら菜慈美に見せてもらう」

 「板田、あんた退任してから変わったわね、前はそんなの冗談でも口にしなかったのに」

 「おー、オーガどーしたですか、marijuanaやったjunkieより酷いですね」

 「なまじっか発音が良いから生々しくなるな舶来、低気圧は俺の敵だ」

 「ジョンソンさん、君は隣の車列だろうに到着までには戻りなよ」

 「解ってますよノゾ、ちょっとジミーにお菓子貰いに来ました」

 「飴しか持ってないわよ? イチゴとオレンジどっちが良い?」

 「飴常備とか大阪のおばちゃんかよ、つーか前々から思ってたがジミーって男性名だろ良いのか?」

 「私は気にしてないし良いんじゃない? オートとかトーヤとかナージとかなんか変だし」

 「オートだと車かバイク、トーヤだと日本の男性名、ナージは女性っぽくなるが微妙か、ジョーンとかジェイミーじゃダメなのかい?」

 「うーん、ジミーはジミーだと思いますね、ジョーンもジェイミーもカワイーですが」

 「そういうものかね、ところで薄着に見えるが寒くは無いのか?」

 「Alaskaに比べればへっちゃらですね、千葉よりは寒いですがまだヘーキです」

 「北極圏と比べればそりゃあ暖かいだろうが」

 「しかしアレよね、この時期の受験生にスキーやれって割りと頭可笑しいわよねうちの学校」

 「一応はここで滑り倒して本番ではって名目は有るらしいがな、まぁ創始者からの伝統だ今さら変えられんさ」


 車窓の雪景色が街並みが流れていく様を見るでもなく見ながら函館根室横断という5泊6日の残りの日程に想いを馳せたいがどう考えても五割電車に揺られていそうで恐ろしくなる、東京大阪より遠く新幹線が走っている区間も限られている、在来線でとなると道々観光をしないならば1日で移動はできるだろうがスキーに史跡にと見て回るならば流石に足りない、その日程から土産を買うタイミングも問われるだろうが土産代の指定額は5000円で値段を気にせず郵送を使うならば特段気にするレベルではないし自由時間は多めにとられているため多少混んでいても次の観光地で纏めて発送とかも可能だろう。

それでも多額だと思う者も居るだろうが電車の乗り遅れ等が発生した場合そこから実費で必要なら指定席料金を出さないといけない場合もある、それなりにシビアな金額とも言えるだろう。若干一名その辺りを無視して先回りさえ可能なのが居るが当の本人はゾンビの如く生気がない、流石に乗り遅れた級友を拾って移動を頼むのは酷だろう。

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