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異能部  作者: KAINE
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生徒会の日常その1

 西岸高校にも当然ながら生徒会は存在する、アニメや漫画の様に物凄い権限が有るとか教師より上みたいな事は無いが少なくとも各部活の予算承認や申請等は請け負う、最終的には事務員等がチェックしてになるがある程度は生徒間で解決という側面も手伝って少なくとも運動系文系問わず全ての部長よりは高い権限を有しているし生徒会長ともなると各イベントのチェックに承認と一生徒では持ち得ない権限を持つ。

 そんな彼らの部屋とも言える生徒会室は何故だか三年棟に在る、書類の持ち運びの手間を考えると職員棟の方が楽なのだが引っ越しに引っ越しを重ねて最終的に三年棟の端に落ち着いて早10年、歴代の会長や役員は苦労しつつ此方は職員棟に在る部長会等を行う会議室での議事録や予算案を持ち帰って精査し、承認を終えるとまた職員棟に持っていく、ならば会議室で精査して承認すれば良いが生徒会印は生徒会室より持ち出し厳禁で規則を破る必要がある。

そしてここに確かな問題として生徒会長や役員が規則や校則を破る場合、心証が物凄く悪い、内申に物凄く響く、反面クリーンに律儀に守ったとしてもほんの僅かにプラスになる程度で確実に推薦枠を貰えるという訳でもない、つまるところ損な役回りと言えるが今代に関しては特にだろう、何せ異能部等という学校非公認組織が三つ部屋を挟んだ場所に居座っているのだから。


 彼らは彼らで非公認だが校長預りの組織として最低限のモラルや規則を持って行動しているし、文化祭だとかの出し物の申請も行えば内容に対する事前の許可取りも欠かさない、だがトラブルの元では在る、何せ部長と副部長を自称する二人が居座ってから異能者排斥組織による襲撃は片手で足りず、テロも片手で足りない、その度に校長は走り回り2年と少し経った今では胃薬が欠かせず頭痛用の鎮痛剤を持ち歩く有り様で老けたし禿げた、ならば生徒会長はと言うとこれまた激務で前任が退任して以来、役員すらまともに集まらず1年強の長きに渡りただ一人孤軍奮闘していたのは異能部部長、男鹿中略Jr.の同級生、クラスも3年間同じくする板田挑その人である、その苦労も今年入った次期会長と言える1年生と今年に入ってから何故か応募してきた2年生が居る事で報われたと言える。

 「さて、呼ばれた理由は解っているな男鹿」

対象的な三人だった一人はアフリカ系ハーフ、あるいはダブルの色黒と呼ぶにも黒い肌の美少年、一人は病的なまでに生白い肌をもつ美少年、そして今一人はオセロの駒の様な対極的な二人から見ても『これマジ?』となる少女、かつて新入生総代として入学式で答辞を述べてより学内をざわつかせ続ける少女。通称首から下がプロレスラー、身長2m超えの巨体にパンプアップされた筋骨隆々の肉体、その身を包むのは間違いなく特注のブレザー、まるでギャグ漫画か格闘漫画から飛び出てきた様な彼女は何を思ってかタブルバイセプスを決めつつ二人を静観している。


 「あー、この間のテロだろ? あんなの予想できるか、俺の予知は明日の天気すら当たらないんだぞ、幸い備品と部屋は元から対策済みだから窓が割れたくらい、弁償はあの二人にやってもらうとして俺悪くなくね」

 隣でマスキュラーに切り替える2年生、生徒会書記影野黒子にさりげなく目線を送りつつ何時もの事と気にも止めないのは慣れである、しかし慣れてはいても圧で目を向けてはしまうのだが。


 「そういう訳にもいかないんです男鹿先輩、発砲音に驚いた野球部部長が転んで捻挫してチームに影響が、それに慣れているとは言え沈華の心へのダメージも有ります、貴方に責任が無いのは重々承知した上で対策を取れなかったのかと苦言を」

サイドチェストを経由してオリバーポーズに切り替えた彼女の鋼の肉体はボディービル男子の部に居ても遜色はこれっぽっちもない、日焼けをほぼしないという体質なだけで生白さ以外は健康体そのものでむしろ学内でもトップクラスの運動能力を持ちそれなりに鍛えられ磨かれた肉体を持つ挑と学内トップの身体能力を持つやはり鍛えられた肉体を持つ康男もそれぞれ筋肉質だし、例えば彼女の様にポージングをしたならば筋肉が隆起するが彼らを細マッチョで刀の様な肉体とするなら彼女はゴリマッチョの核ミサイルの様な肉体だ。

 「酷いなぁ書記ちゃん、うちの後輩出されると粛々と聞くしかないじゃん、てかあの男また不幸か、もはや異能だぜあれ、不幸の権化と書いてルビはジョンとマクレーンどっちが良いと思うよ会長」

 「竹田くんなぁ、この間信号に嫌われまくって遅刻したとか先生に聞いた、学年五指の俊足の彼がギリギリに家を出たとは言え遅刻したとかどれだけ嫌われたんだと、あの刑事より下手をしたら不幸だろうさ」

最低限の釘を刺したと刺されたと判断したのか上級生二人はのんびりと関係無いところに話を飛ばしている、ある種一方的ではあるが板田が各成績でライバル視しているが関係としては至極良好と言える、好敵手や強敵と書いてトモと読む関係で軽口を言い合える気安い友人。見た目も性格も対象的な二人だが挑から見れば相手にとって不足なし、康男から見れば本来ならば相手から除外される異能者足る己を相手とする酔狂者だが得難い友と、親友などとは口が裂けても言う事は無いが関係を問われれば友でありライバルの一言に尽きる。

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