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異能部  作者: KAINE
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旅の日常その2

 「アポを取った男鹿松平兼守ですが竹山研究員はご在席でしょうか?」

 「あぁ、お待ちしてました、ご案内しますね」

 京都を抜けて大阪市外で一泊して翌朝、博物館に開館と同時に乗り付ける、ある意味でそれが彼のアイデンティティーだろう、英語とフランス文学で教鞭は取っていても専門は考古学、それも日本の縄文飛鳥辺りはもはやライフワークに近い、アフリカの大学在籍時に埴輪や土器に魅せられて留学、その後研究のために国籍取得と人生のほぼ全てを注ぎ込んだと言えるが本人に言わせれば家族の方が大事だし言語学や地域風土等含めてライフワークだ。

展示された出土品や遺構から想像される復元模型と暮らし、パソコンの画面や本だけでは解らない細かな機微を逃すまいと真剣に話を聞いて時に質問し許可を得て写真まで取る、この為だけに大阪経由ルートを選び千葉の南端に近い所から車で移動してきた、代わりに大阪観光やアミューズメントパークで1日という第二の目標である九州遺跡巡りの行程が圧迫はしているが無理を通した結果と受け入れるしかない、と言うか家族旅行に自分の趣味を押し付けて、それでも一緒に来てくれるだけ恵まれている。


 午後から堺の古墳群を見て回りそのまま市内で観光、一泊して翌朝からアミューズメントパークで過ごし夜には港からフェリー、かなりの弾丸行程だが九州に着いてからも似たような物だ、鹿児島を見て回りつつ焼酎を確保し、宮崎熊本福岡と北上して新門司からフェリーで東京まで、これらを2tトラックを改良したキャンピングカーで移動するのだ、弾丸上等だろう。

 尚大阪でホテル泊なのは駐車場で寝泊まりがどうとか以前にトイレやシャワーは着いていないからという点が強い、かと言ってオートキャンプからだと大阪への移動が面倒だし今時は何処のコンビニも1時間以上の駐車はお断り、風呂は銭湯で済ますにしてもトイレは公衆かコンビニまで、町中の駐車場で家族四人と音矢家の一人娘とが寝起きはいろいろと問題が有るからだ、そもそもこのキャンピングカーは寝起きは後部のセミダブルサイズのベットに座席にもなるソファーベッド、運転席と助手席を繋げた簡易ベットに運転席上のルーフルームと充実しているがキッチンは狭い、一人二人なら簡易コンロも使えば十分だが家族となると朝食とコーヒー辺りがやっとなのだ、その上でシャワーやトイレまで兼ね備えるとなると後部のベットを小さくする必要が出てくる、それでもそれなりには広いが限度もある。

オートキャンプ場ならテーブルを外に出したりとかも可能だろうし気兼ねなくトイレも利用できるだろうが時間制の駐車場でがら空きだからとテーブル拡げてというのは外聞が悪い。テレビに出ている手前顔を知られているだろうしコンプライアンスで教職を失いたくはないのだ。

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