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異能部  作者: KAINE
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野郎供の日常その5

 言うまでもなく今さら語るまでもないが板田挑は一年生の夏頃から三年の秋まで生徒会長として邁進した英雄である、そもそも入学した の、正確には前々から在るには在ったのだが が入学した事で苛烈になり頻度も増えた襲撃に先代の生徒会長以下会員が耐えきれなかったというのが大きい。

 ただ間違いなく彼らの仕事の総量はそれほど増えていないし彼事態が襲撃に在った事実も無ければ怪しい週刊誌の記者を含めたマスコミの槍玉となった事実もない、せいぜいが生徒総会で気を付けるようにとお達しを出すくらいで何かしら弊害が在ったとするなら他の生徒より職員との距離が近いために嫌な部分を見たかも知れないという程度だ。

だが、それでも未成年者にはキツかったのか、辞める理由はなんでも良かったのか、タイミングの問題かは不明だが夏休みを待たずして総辞任という事態に陥った、俄に新たな生徒会選挙となるが夏休みを挟む必用になった上に激務とまでは言わないまでもそれなりに大変な仕事量に加えてそこまで内申に繋がらないのに品行方正を保たなければならないという厄介さが二の足を踏ませて二度の自薦期間の延長、苛めの温床になる可能性もあるため避けていた他薦も見えてきた頃になってようやく手を上げた唯一人が彼だった、そのまま対抗が現れず当選、選挙をしていないのだから当選もなにもないが会長に就任する。



 「なんで会長になろうと思ったよ、俺が言うとどの口がになるが面倒にしかならんのに」

 「マジでどの口が言ってる男鹿、お前のヤラカシで生徒から来る陳情が何件在ったと思う、お前というか異能部、もっと言うと音矢君が七割だが、あれだ二足のわらじでお前を越えれば勝ち誇れるだろうという不純な動機だ、止めとけば良かったと思ってるがな」

 「そのハングリー精神と負けず嫌いなのに本番で緊張するのはどうしてなんだろうな、ケアレスミスないなら間違いなく並んでるぞ」

 「あがり症なんだよ」

 「生徒の前で普通に話したりできるのにか」

 「対人でどうして緊張する必用がある、大勢だろうと誰だろうと同じ人間だからな裸一貫生まれて裸一貫死んでいくじゃないが、立場が変わろうが国が変わろうが数がどうだろうが言葉がどうだろうが人は人だよ」

 「その考えをテストに生かせよ、状況が変わろうがなんだろうが文字は文字で数字は数字で問題は問題なんだから解くだけだろ」

 「それができるなら苦労しない」|

 「ふむ、じゃああれだ、もっとプレッシャーかけて対処療法やってみるか? 例えばケアレスミス一つやる毎に菜慈美の手料理一口とか」

 「それ、一問目で最悪死ぬし生き残ったと思っても家に帰ってから死ぬだろ」

 「ミスしなきゃ死なないぜ、それに俺みたく耐性作って致死量増やせばのたうち回るだけで済むし」

 「これを言うのも何度目になるのか解らんがそれを()()とも()()とも言わんよ男鹿、慣れすぎて感覚ぶっ壊れてるぞ」

 「嫌ってくらいに経験してるからな、死なずに済んだ日の方が少ないしのたうち回らずに済んだ日はもっと少ない、たぶん最後は年単位で前だよ、思い出せないくらいのな」

 「なるほど、残機制なら255をトリプルスコアで削っているというのはマジらしい、因みにああなったのは何時からだ?」

 「異能に目覚めたその日には完全に狂ってたよ、それまでは大人しい奴だったと朧気ながら記憶がある、それこそ泣き虫で何処に行くにもお気に入りの人形持ってないと不安になるくらいな、毒だの爆発物だの取り扱う様になるのはそこから五年は待たないといけないがその頃には今とほぼ変わらん性格になってる、たぶん目覚めて秒で俺との間に在る歪み感じただろうからそこでキャパオーバーしてぶっ壊れて再生したらああなったんだろうよ、俺もアイツが目覚めた瞬間に空間の歪み感じてゲロ吐いたしな」

 「空間把握の弊害か、吐くくらい辛い歪みをいきなり押し付けられたくらいでああなるなら船乗りは皆精神ぶっ壊れてる事になりそうだが漁師や定期船貨物船問わず彼処まで酷くは無いだろう、と言うか比較するのがおかしいくらいに真っ当に生きてるはずだ」

 「ほら、冬の蟹漁とかマグロとか精神壊さないとやれない事やってる感が有るし、地獄さ行くんだから一部は感覚壊れてると思うぜ、それでもノータイムで毒盛ったりはしないはずだがね」

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