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異能部  作者: KAINE
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西岸高校の日常その11

 「カァー」

 独特の掠れたような声は良く響く、鴉という生き物は鳥類としては中型やや下くらいだろうか、鶴やダチョウのような超大型ではなく、鷹や鷲のような大型でもない、猛禽類に属さないのにその猛々しい見た目は恐れと畏怖と憧憬を覚える、漆黒の羽は濡れ羽色とも称され、その知能は鳥の中でも随一で好奇心も高くビル風で遊ぶ事も有れば車を使ってクルミを割る事もある、鳴き声でコミュニケーションを取り、群れれば猛禽類さえも手出しができなくなる程に強い、記憶力もずば抜けて高い上にその高いコミュニケーション能力も相まって苛めたりしたその日から永遠と付け狙われて攻撃を受ける事も有れば、助ければその恩を返すために虫や蜥蜴を差し出してきたり、その人物に敵意を向ける者を激しく攻撃する程に愛情深い、東西問わず不吉の象徴とされると共に神の使いや神その物としても扱われる動物、似た様な立場としては蛇や狼、熊辺りが当てはまるがどれもこれも危うさと美しさを兼ね備えて神性と危険性が同居してだからこそ畏怖と畏敬を集めるのが烏だろう、まぁ烏は毒も持たないし個体だとワンパンで人殺せるよねってくらいに強くはないのだが。

 「お前また来たのか、良い子だから仲間の所に行け、それともナニか、1日一回は撫でられないと満足できない体にでもなったのか?」

 窓の外の手摺に乗ってピョンピョンと跳ねつつ愛敬を振る舞っているようにも見えるがハシブトガラスが愛敬見せても困る。

 「一月もするともはや見慣れた光景だが随分と懐かれたな板田、教室のマスコットになってきてるぞソイツ」

 「巣から落ちた雛を助けただけなんだがな、たぶん親なんだろうが見てたのかね」

 「見てたんでしょうよ、って言うか助けようとしてつつかれなかったのはラッキーよ、普通は近付いた時点で蹴られてつつかれてギャーギャー鳴かれる筈だから」

 「そうなのか?」

 「カラスは子煩悩な所有るから、巣からそんなに離れない筈よ、しかも時期的にまだ生まれてまもないって感じだし餌を運ぶためにデスマーチしててもそこまで遠くには行かない筈」

 「詳しいな」

 「何年か前にごみ捨て場荒らしの常習犯をどうにかするために調べたから、サイズ的に巣立ちしてすぐって感じじゃないし親鳥でしょうね」

 「俺が触ろうとすると威嚇してくるし完全にお前に懐いてるな、たぶんもうお前の家割れてるぞ、そのうち押し掛けてくるだろうさ」

 「この間ベランダで蛙が死んでたらしい……」

 「次からは俺に電話するんだな、親に気付かれずに戻してやるよ」

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