野郎供の日常その4
「俺さぁ、色々とバイトしてきて海外とかも行くじゃん?」
「あぁ、たまにお土産持ってくるな」
「宇宙関係だとロシアアメリカ、放射線密封関係だとヨーロッパが主要な顧客になるわけだ」
「ふむ、東西分け隔てなくか」
「んで、前に報酬を金じゃなくてちょっとした特別な体験でお願いできないか聞いたら断られた」
「お前が頼むような事ってろくな事じゃない気しかしないんだが? なんだ、ハリウッドスターと合コンでも開いて欲しかったのか?」
「ケネディ暗殺のCIAが秘匿してる資料閲覧かエリア51の見学頼んだら倍額出すから黙ってろって言われた」
「おい、俺の中で陰謀論がかなり濃くなったぞ、後宇宙人も居ると思い始めてる」
「んでKGBの暗殺リストとかMI6の見学とかも断られた」
「向こうからしたら堪ったもんじゃないだろうな、そりゃあ倍額出しても安いって思えるわ、なんなら値段上げるために無理難題突き付けたとか思ってるぜ間違いなく」
「で、俺はその時思ったね、最強ってなんなんだろうと」
「強いだけじゃ思い通りにはならないか、脅しても見せてはくれないし見せたとしても偽物とか一部を隠しても気付かれないから、いやエックスさんを引っ張り出せば解るだろ」
「アイツにも聞いてみた、返答は世の中知らない方が幸せな事ばかりって、ってかお前がちゃんと覚えてるのに俺は驚きだよ、菜慈美も普段は思い出せないのに」
「気に入られたんじゃないか? 人間不信だろうし人嫌いというのもそうなんだろうが別に心底他人との関わりを絶ちたいと考えてる訳でも無いだろ、それこそお前の精神を調整するためだけに数年に一度だけ来日して、後はお前の障壁に守られながら悠々自適でも困らないだろうしな、毎度報酬として数千万もせしめれば生活には困らないだろうし」
「あー、そういや確かに俺がバカをやらかさないように監視って言い訳をするにしても俺の記憶に残す必用はねぇし年単位が不安なら半年とか数ヶ月単位で動けば良いだけだもんな」
「まぁエックスさんにも理由は在るんだろうが、居てくれるだけで心強い、お前が暴走でもした日にはどうにかして探し出せば良いわけだしな」
「どうにかって、存在は覚えてるのに住所は覚えてないのかよ」
「あぁ、どのくらい移動したとか、その方法とか時期もな、覚えてるのは男か女か老人か大人か子供かも解らない存在と会話したってだけだ、まぁ少なくとも外で話すような事じゃ無かったから喫茶店や公園のベンチではないだろうと類推はできるがな」
「なんと言うか、アイツはマジで徹底しすぎだな、そのくせ記憶消してないってのが抜けてるぜ、駅近くのマンションの最上階25号室だ、ついでに電話番号も教えておいてやるよ」
エリア51の見学ツアーとか100万ドルでも即完売しそう。