異能部の日常その21
「さて、言い分を聞こうか後輩」
「なんの事ですかね? 私何もしていませんよ? 誘導尋問ですか?」
「なるほど、確かに主語を抜かして問えば誘導尋問だな、スマンスマン、この本について昼休みに竹田から問い合わせが来たんだがこれはお前が描いたな?」
「何故私が描いたと、他の人かも」
「お前だ、お前に決まってる」
「いや決まってるって事は無いでしょう」
「まず作者名がアンダーフラワーになってる、お前は前に沈むをunderと誤答してたからな後underじゃなくてanderになってたのも付け加えるとして、沈華、沈む華、アンダーフラワーってか」
「それが証拠と?」
「後は内容だよ、こんなに腐ったの描くのはお前くらいしか居ないぞ、不幸の権化と名も知らぬ後輩君とのやけにリアルで漫画とリアルを同じと誤認しそうになる程度には描写力が有り、その筋の女子が垂涎で求める程の出来だ、手放しで誉めてやりたくなるほどのな」
「そうでしょうそうでしょうとも、それはテスト前に二徹して完成させた、あっ」
「マヌケは見付かったな愚か者よ、言うに事欠いてテスト前とは恐れ入る、確か少し前の小テストが悪かったが間違いなく予習復習用の問題集を渡していた筈だが?」
「えーっと」
「なるほどなるほど、さて、後輩、判決を言い渡す訳だが言い残す事は有るか」
「お手柔らかに?」
「宜しい、ならば始めようか、今から地獄の始まりだ、お前にとってのだがな」
「頭脳が欲しいと嘆いた案山子でももう少し知的だったと思うがね」
「さてな、彼の魔法使いに言わせりゃ知恵や知識は経験が生むらしいが後輩は学ぶという事をしてくれそうにない、因みにこれが後輩のテストのコピー、んで此方が俺と菜慈美で作った問題集」
「このほぼテストと同じと言える問題集をやったとして、この点数は酷いな、二徹したとしてもだ、二徹しておそらくは手を着けてないだろうと見れば当然とも思えるが、それにしても酷いだろ、予習無しでも授業理解してれば50は越えて当たり前って感じで捻ったの少しだけだし」
「因みに此方はロリに探してきて貰った同時期だろうテストな、知っての通り菜慈美が教えてたが日本語今よりもっと危うい頃のだ」
「日本語苦手な留学生より酷いというのはどう言えば良いんだろうな? 適切な言葉が見付からん、確かこの頃だとジョンソンさんはようやく中学生レベルの漢字を使える様になったと記憶しているが」
「適切な言葉は酷いと絶望だよ、教えるの下手なのかなとか物凄く思い悩んで親父に相談したくらいだぜ、解答は『本職でないと言う点を加味してもよく纏めた問題集で注意点を網羅はできてないが要件は押さえてる』だそうだ」
「おそらくだが適当な一年生捕まえてお前と音矢君の問題集渡せば取り合いになるレベルでテストの点が稼げるだろうな、先生方に見せたら来年からもう少し問題を捻ろうとするだろう、十分に丁寧な物だと思うぜ」
「だからこそ恐いんだよな、なんで点に繋がらないのか解らないから、もう少し勉強の時間増やさないと進級は危ういだろう、今回の件で生徒指導に目を付けられてるし暫くは余計な事を考えられなくしないと駄目だろう」