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異能部  作者: KAINE
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バイトの日常その2

 俺が今やっているバイトというと、やっている事は簡単で欠伸混じりだろうが鼻くそほじりながらだろうが失敗もしないのだがそこに至るまでの道のりとなると酷く遠く大変で面倒でしかなかった、何せ勤務先と言うか仕事先が政府ないしそれに準じるような組織だったからな。

 物凄く細かく実験した、対衝撃実験に耐熱、対放射線等々、幾つもの実験を重ねて同じ実験を何百と重ねて安全性を確認し、さらに追加で何十かの実験を行い、それをさらに一年も使って調べる、例えば機械を使って何千回も打撃を与えたり、数トンで押し潰そうとしたり、数千度で焼き続けたり、機械の方が音を上げるまで徹底的に調べてようやく俺の提案は受け入れられて仕事となった、まぁ今になって考えれば齢一桁の子供の提案をよく受け入れようと思ったものだ。とは言えだ、宇宙開発に汚染物質の封じ込め等は予算が天井知らずでも足りない分野で、それが通常の十分の一でも元値が元値なため相当な予算削減となる。

専用の容器やらを開発するのに予算は必用になるし作るのにもそれなりに掛かるが一度開発してしまえば良いし新しい素材を一から作る必用もない、現状で必用な要件を満たす強度と形状で作るだけなのだから物凄く時間を要する訳でもないし新しい素材が完成したならゆっくりと置換するだけで良い、なんならそのままでも十分に安全を担保できるのだから旧来の物でもなんら問題はない、と言うか実際の所、強度だとかは必用なかったりする、例え段ボール箱でも問題無いのだがそういう訳にもいかないのがお役所仕事という物だ。


 そこからさらに予算が決定されて用地等を纏めてようやく仕事ができるまでに二年も費やしたがそれが早いのか遅いのかは謎だ、何せ前例がないからな、いや、前例が無いのならば早かったと言うべきなのか? 他に類を見ない事項だし調査一年事務処理二年ならば日本の政治事情を鑑みればまだ早かったと言えるのかもしれないな。

 管轄やら責任者やらの縄張り争いもあれば既得権益の兼ね合い等々、とかく面倒な部分を調整するのにそれだけ要するのだ、緊急性が極端に高くないというのも助けて、しかし低くはないという事実が後押しして、そうして事務が終われば法整備云々にまた時間を使って、実際の業務はほんの数分も有れば良いのを契約だの安全管理だので数時間に引き伸ばして、そこまでしないと仕事に取りかかれないのは弱点であり、同時に危険を可能な限り排除するという利点なのだろうがひたすらに面倒なだけだ。

何せそういう前提をぶっ壊してしまえるのが俺の異能だからな、全能じゃないが万能は伊達や酔狂で言っている訳じゃない。

流石に特定の物、完成品とでもするが、それのみを防ぐ程に全能な障壁は張れないが物質、鉄のみとかたんぱく質だけとかなら可能だ、例えば車ならワゴンにトラックにセダンにスポーツにと多種多様でワゴンだけ防ぐとかは無理だし車全体のみを防ぐってのも無理だがアルミだか鉄だか含んだ物を通さないと規定すればそうなるのが俺の障壁でそれを含むなら車は防げる、その場合南部鉄器やらアルミホイルやらも防いでしまうし残念ながら化合の配分や純度までは無理だが場所を選ぶなら問題はない、幸いにして車は道路くらいしか走らないからな、海の中ならとりあえず安全だろう、その場合船とか潜水艦がネックになるし、空なら飛行機がネックになるしで絶妙に痒い所に手は届かないが別に鉄製品を防ぐ仕事じゃないしな、実際の仕事で防ぐのが放射線で例えば紫外線やら赤外線も含めて容易いしある程度細かく数値を決めて日常生活での被曝線量から融合炉の炉心真横レベルに核爆発レベルまで一定以下を通して一定以上を通さないとかその逆も可能だからな、容器を鉛にする必用もなけりゃ線量を気にする必用もない、ただ置場所さえ決めれば半減期までの時を稼ぐし土壌が汚染される事もない、無いのだがだからはいそうですかとはいかないのだ、本当に面倒で仕方がない。何せ死んで五秒で生き返り、その間も問題なく障壁は張られるが六秒より先がどうなるかは俺にも解らないからな、予知使っても自殺した六秒後は元気に生きてるし。

万が一に備えるのは重要でリスクを可能な限り分散させているのだろうが少なくとも50年先までは先伸ばしにできる、まぁ残機制だったら明日には死んでるかもだから全く無意味という事もないのだが、しかし宇宙関係は浮かせるだけだから事故が起こるとすると浮かしてる最中に死んだ場合だな、試したことないから解らないが浮かせている状態で死んだらどうなるのかは不明だ、浮いたままか重力に負けるのかそれを調べるためだけに死にたくはないしな、残機制ならって可能性を廃したとしても痛いのも苦しいのも何度体験しても嫌だと言える、一瞬で死ねるなら考えても良いがまさかそんな事の為に脳ミソ吹き飛ばすとか菜慈美くらいしかやらないだろ。

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