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異能部  作者: KAINE
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WhoWhearWhen

 俺はそこに行った時期も場所も移動に要した時間さえ覚えていない、誰と会ったのかさえも解らずただ男鹿が居た事と会話の内容を記憶しているだけで例えばそこが地球の裏側や月の表面だったとしても驚かないし時期も昨日か一昨日か最低でも三年より前はあり得ないとだけは言えるが全く思い出せない、それこそ早朝か深夜かさえも。

 誰かには会って話はしたが男か女か子供か大人かさえの判別ができないならまだしも犬や猫、象にナマケモノにトカゲに鳥にと動物だったような気さえするのだから意味が解らない、流石に犬や猫が人語で流暢に会話するとは考えたくないから人だったとは思うが愛犬家や猫の下僕ならばそっちを信じたのかもしれないくらいにリアルな感覚として何と話したのか解らないのだ、ただ何かと会話はしたという事実を記憶しているというだけで実際には会っていないと言われても、夢か何かを見たのだろうと言われても『そうかもな』と思ってしまいそうになるが実感が伴いすぎていて白昼夢にしては曖昧な記憶や心が事実だとうるさいくらいで天秤は常に起こった事に傾いてはいる、揺らぐのは認めないとだが。


 「よう相棒、相変わらずの堕落した生活っぷりを送ってる様で何よりだ、久しぶりだな、と言っても前が昨日かもしれんが」

 「お前の記憶に在る通りに数ヵ月ぶりだよ戯けが、他の誰かならともかくお前相手にそんな面倒な改竄するか、で、ソイツは?」

 「板田挑、俺の同級生で友人のイカレポンチ、俺相手に道化の演技下手とか面と向かって言うくらいに頭オカシイから引き合わせとこうと思ってな、ついでにコイツの病的な負けず嫌い治してやってくれ」

 「おい、いきなり着いてこいで連れてこられてその言いぐさは無いと思うぞ男鹿、後コレはなんだ、声も姿もスライムの方がまだ形が定まってるってくらいにグニャグニャだぞ」

 「コイツか? ミスターアンドミセスエックス、ジョンジェーンドゥ、何者でもない誰かだよ、俺も男か女かすら知らん、下手したらチンパンジーかもしれんと思ってるくらいだ」

 「なるほど、良い観察眼の持ち主で良い性格をしている、悪い奴では無さそうだが信号無視くらいはした事有るし嘘を()いたのも一度や二度ではないと、しかも私相手にコレか、正体に気付いていてその答えとは中々に宜しい」

 「やはり精神系か、少なくとも思考は読んでるな、後改竄もリアルタイムでしてる、此処が何処だかも解らんくらいだ」

 「簡単に言うと精神関係の俺だな、要するに化け物だよ、まぁ実際は自殺志願者の変態だが」

 「全滅主義者の変態に言われたら彼……彼女? も気持ちが良すぎて顔面に右ストレートぶちこみたい気分だろうよ、俺ならそうする」

 「心底そう思っているらしいな、それまでの思考の流れもオカシな所は無い、それで? 板田君とやらの負けず嫌いを消せば良いのか?」

 「解ってるだろうがジョークだ兄弟、俺と違ってお前が言うと本気かジョークか判別ができないから止めろ、せめて声を統一するなり表情を作るなりしてからにしてくれ」

 「まさかとは思うが男鹿、本当に俺と彼又は彼女、面倒だなエックスさんと引き合わせたいというだけか?」

 「まぁ、そうだな、折角化け物の奥底を垣間見たんだしもっと奥も見せとこうかなと」

 「エックスさんも多難だな、こんなのと知り合いとかたまに俺は恥ずかしくなるんだが?」

 「私は常にだよ板田君、これと同類とか私が自殺志願者という点を除いても死にたくなる」

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