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異能部  作者: KAINE
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化け物の日常その5

 さて、これは厄介だ、よりにもよって御同類とは、しかし程度は低いな、数値化するなら私の半分以下もない、脳が育っていないという点を除いても私の同じ頃に比べたら意思も薄弱でコントロールもできてない、練度の低さも有るが格が違う、確かに生まれる以前からの異能と言うならばギフテッドとも言える、だが悲しいかな私やアレのような化け物と呼ぶには足りない、そして問題はそれでも平均を逸脱するくらいには強いという点だろう、数値化できたとして私と比べれば何十何百分の一だが平均値や中央値の数倍以上、そして私と決定的に異なるのは求められたか求められていないかだ。

 少なからず愛とやらを受け取って生まれでた私と、呪いと悪意のみを受け取っているコレと行く末が同じとは思えないし今さら親を変えても無駄だろう、コレの記憶や意識をある程度改竄するにしてもその間も悪意は積み重なるし親の意識を改竄したらおそらく気付く程度には賢しい、両方同時となると骨だし効果も薄い、何より差が大きいとは言え同系統だ、違和感を拭いきるのは不可能で平均以下の凡夫ならばそれで問題無いし時間を使ってジックリと腰を据えれば良いがそうではない。

これはもう行き着く所まで行ってしまっていて、おそらく私がマゴマゴと幼なじみや後輩に注力していた期間を使っていたとしても遅すぎた、よりにもよってだがどうしようもないならば答えは一つだろう、最悪な事に世界全てを道連れにはできなくとも大部分を壊すくらいは可能で外の世界に生まれ出て多少体が動かせるようになれば直ぐだ、私が自分を消して自殺のための旅に出たようにコレは世界に災禍を振り撒くために旅に出るだろう、もしかしたら育つ段階で愛を知る可能性も皆無ではないが時間を遅らせるのが関の山で数年か十数年かの違いでしかない。


 折角この世界をもう少し楽しんで生きていこうと、行く末を見守ろうとしているのに壊されたのでは困る、またアレに頼るのかと思うと癪だし面倒だが残念な事に私に物理的な力は無いし精神や記憶を操れても体内の一部を操るなんて事はできない、と言うかアレにもおそらく不可能だ、いや、アレなら癌細胞だけとか一部の血管だけとか切り取れるし障壁で分泌物の調整も可能か、場所や正しい数値が解るならという前置きが必用にはなってくるが。

 物理的に可能ならば全てを可能にするし技術的に不可能でも可能にする、1ミクロンだろうと1ピコグラムだろうとアレには関係ない、いや流石にそれだけ小さいと加減ができないから無理か、私と違いアレには加減が必用だし私と同じで壊れた物を治すのは難しい、粘土とかなら余裕だろうが人体となるとかなり厳しい、太い動脈繋げるとかなら可能なのだろうが毛細血管から神経に至るまで繋げるとなると加減をミスしてより酷い事にしかならないだろう。

ただ壊すだけならば治すよりも容易い、と言うかアレには得意分野も得意分野、どれほどの数をぶっ壊してきたのか解らないと言うか数えていないだろうしな、このくらいならば片手間でどうにかするだろうし任せるとしよう、後始末は私がどうとでもする。

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