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異能部  作者: KAINE
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自宅の日常その12

 「やっぱり勇気出すしか無いでしょ、今のままだと後輩その一で終わるよ、もっと近付いてアピールしないと」

 「それは解ってるけど、でも、遠いよ」

 「すぐそこよ、渡り廊下渡ってほんの数分、勇気一つで十分に埋まる距離、なんなら勇気もいらない程度の」

 「それともこのまま卒業を見送るの? 来年にはあの人も三年生で留年もしないだろうから一年ちょっとしか残ってないのよ? 今のままだと勝算も成果も何もないまま時間を浪費して終わるだけになる」

 「勇気一つ」

 「そう、女は度胸と愛嬌、その筋肉はなんのためにあるの」

「少しだけ勇気を出す時間をちょうだい、大丈夫、五分でどうにかするから」



 「なんて事言って、結局春になるまで掛かってようやくですよ」

 「ほー、ってか一年の頃から現副会長ちゃんと知り合いだったのな」

 「いえ、中学からなんでもっと長いですよ、部長と板田先輩は高校からでしたっけ?」

 「元部長な、一年からクラスずっと一緒だよ、会話したのは一学期の中間終わってからだが、それまではまぁ浮いてたな俺も菜慈美も、いや菜慈美はなんでか舶来が懐いてきてたからそこそこ打ち解けてたが、俺は遠巻きにだな、たぶん自己紹介の時にインパクト狙って天地逆さまになったからだと思うが」

 「んで中間終わってダラダラしてたら板田が来て『次は負けん』と、俺からしたら『まずお前誰だよ』ってレベルで『何言ってんだコイツ早くなんとかしないと』ってなったな、んで俺らの代の会長が雲隠れしたと同時に何考えたのか立候補して候補者一人だからそのまま会長に、んでなんだかんだとツルんで今に至る」

 「リリー先輩と先輩は?」

 「初日の自己紹介終わったらその瞬間からジミー呼びで懐いてきてたわね、毒気抜かれて世話焼いてたらなし崩しで、あの娘の方が二ヶ月誕生日早いのにどうしてか妹ができた気分よ」

 「あの頃は菜慈美が振り回されてて俺からすりゃ驚天動地て爆笑物だったな、中間の頃には俺の所もチョロチョロしてたが、たぶんあの頃の俺とまともに会話したのって菜慈美除けば先生方と舶来くらいだな」


 「さて」

 「さて、ね」

 「あの、どうしました?」

 「解ってるでしょ、休憩も済んだし、そろそろ始めましょうか」

 「安心しろ、まだまだ教科は残ってる、さぁ、楽しい楽しいお勉強の時間だ」

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