趣味の日常その4
紅茶飲みつつ考えるが一つ面白そうな案が浮かぶには浮かんだが決め手に欠けるな、あえての古めかしい外装置換だが隠れ家と被るし停めてるだけなのに廃車に間違われそうだ、いっそ開き直って痛車とかにするか? しかしソレらに合わせたチューニングって難し過ぎるな古めかしいならエンジンの性能を抑えてって感じか、痛車は……キャラに合わせてになるが好きなキャラとか居るには居るがアイツのイメージとなると鈍足高火力、バイクでどう表せって言うんだよ、鈍足はまだ加速性能落とすとかで良いが高火力に関しては何をもって火力とするか悩みどころだし何より最大のウリである吸って投げるってのはどう表現する、と言うか野郎が熊みてぇな図体した野郎のラッピングしたバイクに跨がるとか後輩が喜ぶだけだろ。
完全に袋小路だな、コンセプトが浮かびはしても微妙過ぎるし微妙な物を作っても面白くもなんともない、これが仕事で金が貰えるなら嫌でもやるしかないが趣味だからなトコトンまで行くところまで突き抜けなきゃやる意味がない。
いやキャラに固執せず好きなバンドとか別のゲームキャラやアニメキャラをイメージするのは良いかもな、バンドロゴとか張りまくって後は適当にクセが出るようにチューニングして、あぁその手が有るか、後はどう落とし混むかだがデザインを詰めていって合わせて中身の弄り方を考えてか、帰って描いてみて良さそうなら改造だな、それにゲームキャラにしてもアイツに固執する事もない他にも好きなゲームはあるしそこからイメージ持ってくるのも十分に有りだろ、良しコイツは痛車仕様に改造しよう、後はモチーフを決めるだけだな。
そうと決まればすぐにでも戻りたいが地味に遠いからな、もう少しだけ休憩してからだ、とりあえず昼飯済ませて食休み挟んでからでないと気力が沸き立ちそうにない。
このまま横浜まで行って何時もの様に飴を買って帰りたい気分にもなるがまだストックは有るはずだ、と言うかこのバイクだと買えて数箱だしな、それじゃほんの二週間先伸ばしにするだけだ、何より俺らの顔見て10箱分くらい用意してくれる店員さんに悪い気もする、買うんだから問題は無いし他の客が買っていくだけだが無くなってからでも遅くはないし別に飴ばかり嘗めている訳でもない、変な中毒性も無いしな、普通に帰って幾つか案を出してブラッシュアップしていこう。
行きと同じくらいの時間を使って隠れ家まで戻り、バイクを停めてから帰宅する、別に隠れ家でやっても良いが集中し過ぎて晩飯忘れたらお袋が怖いからな、それに今日はタブレットPC持ってきて無いし、部屋に戻らないと調べたりコピペでのイメージ決めができない、現時点で三案浮かんでるが頭の中と画像とではやはり情報量が違う、基本的にイメージ通りには切り張りしてデザインするが細部の調整とかするにはタブレットの方が何かと都合が良い。
「ただいまっと」
返事をする奴はこの時間帯は居ないのだが、いや鈴子が帰ってたら居るが習慣がそれをさせる、まぁユキちゃんは居るがニャーとしか返せないし玄関口にまでお出迎えするような殊勝な猫じゃない。
靴箱を見るに鈴子はまだ映画から戻って居ないらしいしお袋も本屋のパートの最中だろう、ギリギリそろそろ終業って感じで夕飯の買い出し考えてるって所だろうな、とりあえずリビングに向かい紅茶を淹れる、気分的に今日はラスサンプーチョンを淹れるが残りが心許ないな、また注文しておくとしよう、ついでにお茶請けとして龍の髭飴を用意して、後は足元で愛嬌振り撒いてるのに煮干しだな、いや鰹節の方が良いか? 戸棚を確認するとササミジャーキーがかなり減ってるし使いきるか、また買ってこないとだがお袋まだ早くても本屋出た辺りだろうから連絡しとくか。
ついでに鈴子の方にもユキミが甘えてきてももうオヤツは与えていると伝えておく、ようやく元の体型に戻ったしリバウンドはさせたくない、当の本猫はオヤツに満足したのか窓辺で丸くなってるがそろそろ秋も近いし炬燵の季節だろう、来週辺り出してやるか。