異能部の日常その6
「ジミー、リリーちゃんが遊びに来ましたよー」
ノックすらなくズバンと引き戸を開けて、反動で若干戻ってくる程の勢いはこの客人の常である。
「よう、舶来、菜慈美なら生徒指導室だ」
金髪に碧眼、抜けるような白い肌と小柄な体躯、アメリカからの留学生、常にハイテンションな合法ロリ、その顔は常に満面と呼べる笑みを浮かべる明るい少女、リリー・ジョンソンはそういう少女だ。
「Oh、オーガ、どーいう事です?」
「ん、国語の授業でやらかしてな、昔読んだ教科書に乗った作品を今読んでどう感じるか的な宿題、あれでチョイとな」
「んー? リリーも書きましたけど生徒指導室に呼ばれるって忘れてきたとかそーいうのですか?」
「ちゃんと書いてきたよ、詳しくは調べろだがイタズラ狐が出てくる奴題材に小学校の時に書いたのと同じ、要約すると憎いなら撃つより捕まえて水に沈めて皮剥いで売れって、とんでも感想文、10年近く前も同じの書いて親呼ばれて指導受けたってのに三つ子の魂なんとやらだ」
「ありゃ、長引きそーですねー、明日また来ますです」
「長いだろうな、この間も道徳でやらかしてるし、まぁアイツに道徳心とか求めるのが間違いだが、サイコパスが土下座して謝るレベルでぶっ飛んでる、具体的には幼馴染みの腹の中にダイナマイト転移させるのに躊躇しないし」
「ところでフーカは何読んでるですか? 面白いコミックなら貸して欲しーです」
「止めとけ止めとけロリっ子、どうせ男がクンズホグレツのBL本だ」
「Oh、キョーミ無いと言えば嘘になりますけどMammyが煩そうです、今度読みに来ますからいーの用意ヨロシクです」
「止めてくれない? 腐ってるのは一人で間に合ってるってか最近菜慈美も毒されつつ有るから、俺の事ちょっと可愛そうとか思ってお願いだから」
「オーガ、そーいう運命です、諦めるですよ」
「運命なんてクソ食らえだ、そんな運命決めてんならアッラーでもキリストでもゼウスでもアマテラスでも顔面にクソ投げ付けてやるよ」
「あー、キリスト圏とイスラム圏でソレ叫んだら最悪殺されますよ? テキトーカトリックのリリーでもムッとします」
「ハッハー、神なんぞ怖くねぇ、信者の方が万倍怖いってか、全くどの宗教も神の名の元に何千人殺したのやら、魔女狩りに十字軍、南無阿彌陀仏で浄土がどうのにアッラーアクバル、フライングスパゲティモンスターの方がよっぽど真っ当な宗教だぜ」
「オーガは神を信じてないですか?」
「信じてないね、何せ死んでも甦る神の奇跡とやらを日常的にやってて、宝くじ一度も当たってないしアホなテロリストに殺されるし、何よりナンパ失敗するし最後に乳揉んだの二月は前だぜ」
「今、あらゆる神の信徒と全てのドーテー敵に回しました、でもリリーの神様はヤサシーですからリリーの名の元に許しますです、後オッパイ揉みたいなら揉みますか、無いに等しーですけど」
「いや、俺オッパイに貴賤無しがモットーだがロリコンじゃないんでな、実年齢18でも見た目12の胸揉むとか俺のプライドが許さない」
「あー、じゃあフーカのかジミーかクロクロのを揉んで我慢ですね」
「後輩がすんごい目で睨んでるから止めてお願いだから、謝るから、土下座で良いか? 後オッパイに貴賤無しだけど書記ちゃんのはアレ大胸筋だから、オッパイってか鉄塊だから」