クリスマスの日常その2
「なるほど、此処が噂に聞く隠れ家ですか、確かに雰囲気がありますね」
「見た目的にはもう廃業したかもしれない板金塗装屋って感じをコンセプトにしたらしい、趣味に金を使いすぎだと思ったならまだ甘い、中はもっと酷いから」
「あの飛行機を見た後だとあまり驚きませんが、男鹿先輩って地味に凄いんですね」
「いや地味どころか普通に凄いって、気さくなだけ話しやすいし緊張しないけど、剥き出しの核兵器が歩いてる様な人だし」
「言い得て妙だが正しくはないな、男鹿の奴はプルトニウムなんか屁でもない程の危険物質だよ」
「人の家の前で家主ディスるとか何様だ元会長、後どっちの発言か知らんが人を核兵器如きと同じにしてくれるな、周囲一面巻き込むようなヘマを俺がする筈が無いだろうが」
「な? 1g以下で宇宙壊せる物質でもコイツからしたら鼻くそ以下だ、良く覚えておくといいこの世には理不尽が存在すると」
「理不尽ね、まぁなんでも良いからとっとと入れ、中でロリがお待ちかねだ」
「もう来ていたのか?」
「ってか昨日から菜慈美の家に泊まってる、なんでアレとマトモに友達できてんのか不思議でならんが合うって奴なんだろうな」
「自分の恋人をアレ呼ばわりするのもどうかと思うぞ、九割同意できて言える言葉じゃないが」
「先輩方は何て言うか、見ててハラハラする事平気でしますね」
「ん? まぁ慣れだ慣れ、入学からずっと同じクラスで張り合って来たのコイツくらいだしな、たぶん俺と対等に口聞いてやりあえるのコイツだけだ、他はかなり壁が有る、まぁロリは例外、後不幸も若干例外だな」
「不幸と呼ぶのはあまりにも可愛そうになるのでやめて下さい、前に階段から転んで押し潰してから申し訳なくて」
「影野君、それを申し訳ないと思うのは君の美徳なんだろうが、奴からするとデフォ過ぎて今さらどうとも思っていない筈だ」
「おー、ノゾにクロクロにえーとコーへーですかね」
「一人だけあだ名と言えるか微妙だが緒方だからオーガだと俺と被るし妥当だな」
「コーの方がいーですか?」
「んにゃ、俺はどうでも、本人は知らんがどうだい新会長」
「ご自由にどうぞとしか、そもそもこんな機会でもないとリリー先輩と顔を合わせるのって少ないので」
「アラ? 私の聞き間違え? 今リリちゃんをないがしろにするような発言があった気がするわ」
「無いから座ってろ有ったとしても俺と違って死んだらそのままだ、そのパイプ爆弾は懐に入れておけ」
「まーリリーは気にしません、事実ですから、クロクロは駅とかで一緒しますがコーヘーはたまに見かけるくらいですし」
「書記ちゃん、今は副会長ちゃんか……とロリって捕らえられた宇宙人的な見た目になりそうだな、ダブルスコア程は離れてねぇが70cmは差が有るし」
「それを言うとアンタとも40cmくらい差が有るわよ? って言うか私とも25cm有るし」
「俺、中学まではそこそこ背が高い方と思ってたが高校入って何人も見上げるの居て流石に178じゃ平均やや上と改めて理解させられた気分だったよ、二年になった時に度肝抜かれたが」
「抜かれなかった上級生居ねぇって、2m超えの筋肉女子とか女子バレーとかバスケ部の部長が獲物見つけた肉食獣の目してたし」
「あの頃は本当に勧誘が凄かったですね、球技との相性が最悪と解ってから下火になりましたが」
「立って手を上げてるだけで良さそうなバレーでもダメだもんな、有る意味竹田の不幸と同じくらい俺には不思議だ」
「再来年辺りには七不思議になってるかもな、背が高いのに球技ができない女子生徒とかなんとか」
「じゃあ来年にはアレだな空き教室占居してた変なハゲとかなんでも一位目指す変態とか」
「リリーも生きたせいよー人形とか言われそーですね、後は放課後に何処からか聞こえてくる芝刈機の音と独りでに動く骨」
「つまりこの場の三年だけで四つ、んで二つが二年女子、一年生会長頑張って残り一つ埋めろ」
「無茶言わないで下さいよ俺なんて没個性の最たるですし」
「なんか、ゴメンね」
「謝ってやるな男鹿、笑ってやった方がまだ救いが有る」
「死体蹴りは止めなさいな、周りが濃いだけよ」
「とりあえずピザにオードブル、菓子にジュースに豆乳、なんか一つだけおかしい気もするがまぁ良いさ、とりあえずくつろいでくれ、見ての通りゲームは一通り揃ってるしプロジェクターで映画も見れる、後本が読みたいなら勝手に持ってけ、なんなら返さなくても構わん、どうせ直ぐに埋まるしな」
「あの棚は特に短編のオススメね、アッチは大長編のオススメ、アッチがBLコーナー」
「俺はもう読んでる余裕がないな、今回の息抜き終わったらまた勉強漬けだ、バイトも全く行けてない」
「ロリは向こうの大学とかだろ? 俺らだけだな気楽なのは、いや……菜慈美だけだ気楽なのは」
「何か有るのか?」
「ちょいと起業をな、今土地の契約した所で社屋建てるし家も建てなきゃならんから忙しい」
「あぁ、それで父の会社を紹介して欲しいと、最近だと九重の方で物凄く広い土地にプレハブとか建ててますね」
「たぶんそこだな、プレハブの横に平屋のコンクリ建設ならビンゴだ」
「じゃあ確定ですね、鉄骨幾つか運んだんで覚えてます」
「鉄骨ってサイズによるが100kgくらい有ったと思うが影野君なら余裕か、普通は重機を使うと思うんだがな」
「正確に言うと基礎の枠組み作るのに父と二人でサクサクと」
「サクサクと運べる重さじゃないですね、部長なら余裕でしょうけど」
「でも副会長ちゃんは180kg上げた実力有るし寝て持ち上げるのと少しは違うし持ち歩くとなるともっと違うけど100くらいなら余裕でしょ、たぶん米の袋とか重いって感じてないぜ」
「流石に負荷は感じますよ? 物足りないのは認めますが後、我が家は玄米基本なんで米、白米は買わないですね」
「まぁでもほら、今日は調整してるんだろ? 色々食ってけ、帰りは車出してやるから食い過ぎで動けなくなるくらいにな」
「リリーはきょーもジミーのお家なんでお構い無く」
「ってなると板田はバイクとメット貸せば良いし三人か余裕だな」
「返しに来るのが面倒なんだが?」
「いや、後輩はここからちょい走ったとこで副会長ちゃんが確か那古船形手前で会長君が富浦だろ? お前だけ九重方面で逆だからメンドイ」
「返すのは来週で良いか?」
「構わん、どうせまだ改造案が決まって無いからな、正確には痛車にするが何を張り付けるか決まってないからな」
「んー、リリー的にはオーガの好きな格ゲーキャラでいーんじゃないかと思います」
「それだと鈍重高火力高耐久キャラになるから元のレーサーレプリカとの相性が悪い、一つ良いなと思うのは居るには居るが外装はともかく中身をどう落とし込むか難しくてな」
「そーいうときは良いなと思うゲーム? アニメ? 見て、playして考えたらAll.okですね、たのしーは無敵ですから」