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異能部  作者: KAINE
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自宅の日常その11

 ウィスキーオンザロックをグラスを揺らしつつ葉巻やパイプを咥えてジャズやロックを楽しむ、ナイスミドルな雰囲気が醸し出されるような情景だが俺からすると毎晩毎晩、それこそ物心着いてから10年も見続けた日常だ、具体的にはペナントレースと日シリ終わってからオープン戦始まるまでの冬季は見ない日がほとんど無いくらいに見てる。

 かなりの自由人と言うか趣味人である親父は自分の好きを突き詰めた結果大学で教鞭を取るような人だが家庭においてもその点は大きくは変わらず、数種類の国産ウィスキーを常備し数種類のグラスを常備し手間をかけて球形の純氷を量産して毎晩晩酌を欠かさない、欠かすのはせいぜい翌日に健康診断がある日と体調が優れない日くらいでそんな日でも煙は燻らせる愛煙家だ。

それもタバコだけではなくパイプに葉巻も嗜む、そのせいで物心着いて肌の色の後でパイプや葉巻を嗜まない大人が居るという事実にカルチャーショックを受けたのは俺も妹も同じだろう、まぁそのすぐ後に更なるカルチャーショックとして土偶とか埴輪のレプリカが家に無いとか土器風の茶碗が無いとかにもショックを受けるんだがそんなのはもはや遥か昔のお話で今さら語るべくもない。

お陰さまで俺も鈴子も染まりに染まってパイプに葉を摘めるとか余裕だし氷の作り方からジャズのリズムにロックのノリまで身に染み付いて取れそうにないし俺に関しては英才教育の賜物で無駄に数ヵ国で言葉に困らないし英語が伝わるならもっと困らない、物凄く高給取りでは無いがそれでもサラリーマンよりは稼げてるから一軒家と趣味に多少お金を使えるがそれらに侵食されて我が家はカオスだ、と言うか俺のと鈴子のとお袋も加わるから混沌の坩堝だな。


 俺はゲームだし鈴子は一回頼んだら填まった剃毛道具、お袋はキルトとレース編み、親父は酒と煙草と別々過ぎるが意外とバランスが取れているのは家族だからだろう、まぁ鈴子の趣味に関しては若干以上に申し訳ない思いも有るがまさか剃りにくい所頼んだら次の日には剃刀買ってくるとか思わないし数ヶ月後には日本剃刀、年を待たずに床屋に置いている髭剃り道具が揃うとか誰が予測できる、革砥まで買ってきた時は流石に引いたな、まぁ弊害と言うと誤りだがお陰と言うと図に乗りそうだから弊害とするが、包丁とかを砥石で研ぐのも上手いから切れ味は常に抜群とはお袋の弁で俺もハサミ使ったらスパっと切れて我が妹ながら何処まで行くのか何処を目指しているのか解らなくなった。

とまれ、親父が酒を飲みながら煙を吐きジャズを聞くのは何時もの光景で珍しくもなんともない、ただ珍しくも今日はバーボン呑んでる、それ俺のなんだがまぁ良い、それよりも困るのは見るでもないのに定位置ではなくテレビの前を占拠してるって点だな、久々に鈴子とパーティーゲームでもしようかというタイミングだと特にだ、俺の部屋でも良いが画面が小さいからな、パーティーゲームだと画面が大きい方が良いし、とりあえず退けるか。


 「君たちね、お父さんの扱い年々雑になってないかい?」

 「あー、あれよ反抗期? 思春期? お父さんのと一緒に洗濯物回して上げてるから我慢して」

 「アレだから、兄妹の団欒を邪魔するとかアレだから」

 「まぁ別に構いはしないがね、コントローラー貸して、ママもどうだい?」

 「んー、用意しといて、もうすぐ終わるから私赤ね」

 「とりあえずチーム戦無し5本先取ランダムマッチで良いか、パズルが来ないのを祈れ雑魚共」

 「シューティングが来ないのを祈りなさいゴミ共」

 「君たち本当になんでそんなに過激なの?」

 「レーシングが来ないのを祈りなさい馬鹿共」

 「君の遺伝かい? 後レーシングなら私も得意なんだが?」

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