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異能部  作者: KAINE
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野郎供の日常その2

 「相変わらず名作からクソまで揃えてるな」

 「おいおい、クソは無いだろクソは、もっと酷いのしかねぇよ」

 隠れ家の寝室、その一部はほぼラックで埋め尽くされていてDVDとCD、レコード、プラモデルが大量に並んでいる、隠れ家全体で言えば同じようなラックが壁の大半を埋め尽くして本が入っているがここだけは侵食を免れていて の趣味が詰め込まれている、ただ欲を言うならと言うか、持ち主を考えればそれが当然なのだが、テレビ近くのラックにこれらを移したいと常々思うが、リビングの一角にあるソファーが並んだスペース近くのラックは既に本が大量に陣取っていて移し変えるだけで一仕事、そして移し変えても酷い拷問を受けた上でまた移し変える事にしかならない。

故にこの隠れ家の居住可能部分に置いて唯一 が自由に使えるのは寝室と冷蔵庫の中くらいで土地や建物の所有者を考えれば異常とも思えるが、しかし機材だとか風呂だとか、その辺りの裁量もまた自由には使える、単に部屋に所狭しと置かれた本棚やラックの類いが裁量外というだけだが、それでも十分なくらいに異常だろう。


 「つまり名作以外はクソ以下と?」

 「いや、流石にクソよりマシやクソと同等も有るがね、お前が今手に取ってるのは見て聞ける拷問だ、それを見る時間が有るなら小銭タップリの貯金箱の中身を数える方がまだやりがいも生産性も在るってくらいにな」

 「そんなにか?」

 「気になるなら貸すから見てみろ、後悔しかしねぇから、俺ももう見たくねぇ」

 「シンプルな疑問だが、じゃあ何故買った? そして何故残す」

 「怖いもの見たさだな、下手なホラーよりある意味じゃ怖いが楽しめねぇって点で三流ホラーの方がまだ笑える、そして誰かをその沼に引きずり込みたいんだよお前とかな」

 「興味有るし借りていくか、念のため聞いておくが監督や演者を殺したくなるほどには酷くないよな?」

 「目の前に監督や演者が居てサインしてやるって言われたらその場で糞して口に捻込みたくなるくらいには酷い」

 「とりあえずストレス発散用に殻着きピーナッツ用意しておくか、殻を砕くだけで少しはダメージ軽減できるかもしれん」

 「ゴミ箱の上でやらないと掃除する羽目になってさらにストレス有頂天になりそうだな、ってかゴミ箱の上でやっても地味に飛んで天元突破しそうだ」

 「じゃあホームセンターでエアパッキン確保してくるよ」

 「メートル単位をお勧めする」


 「しかし野郎二人か、なんでこんないい天気にテメェしか居ねぇのか」

 「さぁな、しかしこの冷蔵庫は酒と水しかないな、コーヒーとかお茶とか用意してねぇのか、って言うか高校生が呑むな男鹿」

 「ワタシ半分アフリカ人、アルコール大丈夫」

 「いきなり片言になっても日本の法律守らん理由にはならん」

 「いやだって美味しいし、大丈夫大丈夫、呑んだら乗らないから」

 「そもそも呑むなと、来年にはお前も仕事始めるんだろ?」

 「おうよ、お陰さまで日本の銀行の貯金七割飛んだぜ」

 「その七割で県の予算くらい有りそうだな」

 「ざっと億は使ったな、土地買うのに社屋建てるのに必要なの買うのに、安くねぇ買い物だがプラスまで10年か15年か、少なくともお前さんが寿命でくたばる前にはどうにかしてるだろうよ」

 「と言うとざっと70年近く先か、気の長い回収プランだな」

 「まぁ俺の寿命って俺にも解らんからな、未来予知しようにも2日先しか見えないしそもそも確度が低い」

 「それでも持たない者から見れば十分だ、羨ましくはないがな」

 「まぁ持てば変なの寄ってくるしな、俺みたいなチートでなく、ほんの少し生活が楽になる程度の異能でも脅威と見る奴は多い、お陰でクラスで話すのはお前と菜慈美くらいだよ、別に遠巻きに見られている訳でも無いがね」

 「学校全体で見れば一割くらいは近付こうともしないと見ているが単に上級生だからかは謎だな、三年生は慣れたから挨拶くらいはするし変に恐怖を持っている訳ではない様だが、それでもクラスに一人か二人は見向きもしないのは居るな」

 「その分だけ関係が濃いのも居るがな、他のクラスだと竹田と舶来は身構えもしない」

 「竹田君はほら、彼の場合誰かに恐怖を感じるより自分の不幸を気にするべきだし、ジョンソンさんは楽観主義と言うか楽しければオールOKな人だから」

 「話しはいきなり変わるが、俺は呼び捨て、他は大抵君付け、何故にロリだけさん付けなんだ?」

 「なんでだろうな、俺にも解らんよ、単純にジョンソン君だと言い辛いとかそういう理由だろうさ」

 「なるほど、ミスジョンソンとかじゃ駄目なのか?」

 「それだと気取っているようにしか見えないだろう、只でさえ君付けで浮いてるのに」

 「自覚在ったのな」

 「あぁ、因みにお前を呼び捨てているのは敬称を付けるのがムカツクからだ」

 「だろうと思ったぜ会長、別に構わんがね」

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