異能部の日常その18
川沿いもまたゴミが大量にという程では無いにしても見付かるポイントで川岸なら上陸から流れてきた木も含めてそこそこの量が取れる、雨で増水しているとなれば余計にだし人の家の庭だとかは抵抗が有っても河川敷になら何気無しにポイ捨てをする不埒者は少なくない、何処からか持ち込まれた不法投棄の粗大ゴミなんてのが転がっている事も在るくらいだ。
とは言え、今回は増水故にガードレールから軽く身を乗り出してトングが届く距離までだ、まぁその気になれば届かない距離でも余裕だがそこまで真剣にやる必要もないだろう、ボランティア精神に溢れてではなく地域のために活動していますというポーズを取るためにやっている、真面目にゴミ拾いはしても建物の間だとか、側溝の蓋を外さないと取れそうにないとか、そういうのはスルーだ、目に見える範囲で拾っていけば最低限は達したと言える。
それでもゴミ袋が一つが一杯になるくらいには色々と拾えてしまう、総移動距離が数キロにもなればその程度は溜まってしまう、コレを多いと見るかは人それぞれだろうが見える範囲を掃除して落ち葉やなんかを含めればこの程度ならば比較的キレイと言える、もっと酷い場所は幾らでも有るが、だからと言って全くポイ捨てが無いわけでもなく誇るに誇れない、全くゴミが無いならば別だがそれでもその程度かと鼻で笑う者も居るだろう、所詮はゴミ一つで金になるでもなく大した事はないと。だがゴミだらけとゴミ一つないとどちらの町に住みたいかと問われれば過半数は余裕で後者に傾くし、その程度かと鼻で笑うような連中も自宅の前にポイ捨てされれば腹も立てるだろう、ポイ捨てが無いというのは十分に町の誇りで自慢になり得るし少ないというだけでもプラスには傾いてもマイナスに傾く事はない。
「いやはや、相変わらずのゴミって感じだな、先々月はやれてないし四ヶ月ぶりだが量が変わらねぇって事はポイ捨てする連中が半減したって思って良いのか?」
「さぁ? でも私の記憶が確かなら先月辺り野球部とサッカー部が合同でゴミ拾いしてたわよ? 場所までは知らないけど」
「あー、有ったな、竹田蜂に刺される事件の時か、いやアレ先週じゃなかったか?」
「なんなら昨日も今日も刺されてそうよアイツは」
「二年でも物凄い有名なんですよね竹田先輩って、歩く天災とか息をする死神とか」
「死神だって息くらいするだろうよ、いや死神って骨のイメージ有るししないのか? おい後輩ネクロマンサー的に死神ってどうなの」
「サイズ的に操れないんでどうと言われても、そそる物が有るのは確かですが」
「骨の何に何処にそそる物が有るのか謎なのだけれど」
「ネクロマンサーでネクロフィリアの思考は俺らにゃ理解できんよ、変態レベルで言えば後輩は部活トップクラスだ、流石にゾンビやらミイラのBL絡みでハァハァできないだろ?」
「骨でもハァハァできますよ?」
「誇る事じゃねぇんだよなぁ」
「たまにこの娘の感性解らないわ」
「俺は何時でも解らんよ」
「先輩方、たまに私に酷いですよね」
「その原因の大半が後輩に有るんだがな」