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異能部  作者: KAINE
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旅の日常その5

 北海道は日本に住むライダー憧れの地として名高く、その規模を存分に楽しみながらツーリングをするのは相当数に上るだろう、他に何か憧れはと問われれば速度無制限のアウトバーンだとかアメリカの荒野辺りになりそうだが国内だとサーキットかバイクメーカーの試験用の道路になりそうだ、まぁ北海道に住むライダーからすると何が珍しいとも思うだろうが無い物ねだりってのは何を持っていても何を見ていても起こるからな、地平線の先まで真っ直ぐな道とか、本州だと相当に探さないと無いだろうが北海道だと数ヶ所に点在しているし山道海沿いと平野に丘陵、一つの地域で幾つもの道を楽しめる。

 おそらく北海道に無いのは近畿の暗峠みたいな超が付く急勾配くらいだろう、アレはアレで行ってみたいが別に死ぬまでに一度はって感じでもない、数年前はキャンピングカーカーだったし運転は親父だったからな、色々と勝手は違うが今年はバイクだ、何時もの魔改造したジャメリカンだが関東を走らせるのとはまた違う筈だ、道は道だし制限速度も物凄く変わる訳でもないが様式美と言うか空気感が異なる、毎年必ず足を運ぶって奴も居るくらいだし叶うならもう一度なんて奴も少なくはない、それだけでも語れず見えない魅力が在るという証拠だ。

菜慈美を後ろに乗せての旅だが別にそれを悪いとは思わない、ライディングデートとかはよくやるしその延長だな、まぁ少しばかり違う光景として板田も連れだってのツーリングだ、大学に入ってから買ったというナナハンのビックスクーターに跨がりご機嫌その物だが俺もその気持ちは解る、夏の北海道はバイク乗りの聖地なんて言われるくらいに憧れる者も多い、俺と同じ穴の狢である板田に盆休み明けに時間が取れるならどうかと誘いを掛ければ一も二も無くだ、大学生ってのはそんなにフットワークが軽いのかとも思うが真面目で成績も優秀だったし必修とかも調整したのだろう、その辺りは信頼して良いし講義とかで落とせない物が有るならばここに居る筈もない、まぁ多少は後日に皺寄せで忙しくはなるかもだが強制したわけでもないしな、これで首が回らないくらい忙しくなるとしても自業自得って奴だし板田も言うまでもなく理解している。


 「真っ直ぐの道なんて何が良いのか解らなかったけど、こうして走ると解る気がするわ」

 「だろ? 俺もバイクだと初めてだが思った以上だ、そりゃあ聖地にもなるって納得だな」

 「あぁ、時間が在るなら一度はなんて旅行代理店の売り文句じゃないが思うのも無理はない」

 「おかげですれ違う奴も同じ場所で休む奴も多いがな、変なの乗ってるせいで視線が痛いぜ」

 「変なの乗ってる自覚有ったのか、あのスチームパンクなトライクよりはマシだから気にするな、ちょっとばかしシルエットがゴテゴテしてるだけだ」

 「まぁ電圧やら規格やらどうにかするにはな、魔改造の弊害だよ」

 「合ってないのか?」

 「そりゃあお前エンジンはアメリカだし他もアッチやコッチから持ってきたんだからな、規格が合う筈もないし電圧合わないと動く筈もない、システムの調整やらなんやらで電子部品を問題無く動かしたいならコンデンサーやら変圧器やら大量に積む必要がある」

 「それでそのゴテゴテか、ボディに綺麗に納めようとか思わなかったのか」

 「やろうと思えばやれるがカバーとか作る必要有るしな、コレのコンセプトは世紀末ヒャッハーな世界で動く様に組んだだから綺麗だとオカシイだろ?」

 「有り合わせのパーツ集めてってか? 確かにそれだと外装とかキレイなのはオカシイな」

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