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異能部  作者: KAINE
118/207

職場の日常その5

 「なぁ親父」

 「うん?」

 「前にさ、親父の大学に来てる天文学者がどうにか優先的に予約欲しい的な話してきたよな」

 「あぁ、まぁ向こうもダメ元だったから別に断った事を気にしなくても構わないよ、それに通いで来てる研究者で大学に席を置いてる訳でもないからね、むしろ彼を優遇するなら俺を優遇しろって所属の教授や研究者が僕にシュプレヒコールしてくるよ」

 「あー、じゃあこの話はそっちに持ってくか、ってか大前提なんだが親父の大学って職員の副職はOKなんだよな?」

 「申請すれば問題ないね、流石に授業とか研究に遅れとかが起きる頻度となると厳しいけど、そもそもOKじゃないとクイズ番組に出演するのは無理だよ、で、何? 解説員でも欲しいの?」

 「話が早くて助かるぜ、月に一回だけ一組限定完全予約制の深夜プランを立ち上げようかって企画しててな、どうせならガイド役を専門家にお願いしてって感じなんだが選定は難しいし客が必用無いって言えば普通にバイトさんに頼むしの完全不定期になる、給料も深夜料金込みで日当2万くらいだし帰りのタクシー代と飲み代で溶けるかもってレベルだ、それでも受けてくれそうな人が居るならありがたい、因みに欲しいのは地球から目視で確認できる範囲の星や星座に明るくてある程度は重力やら太陽熱やら宇宙の成り立ちやら説明できる人だな、可能なら神話も絡めたロマンチックな解説できるのがベスト」

 「解った、とりあえず教授に聞いてみるよ、たぶんだけど飛び付くんじゃないかな、それこそ直ぐにでも神話とか民話調べるレベルで、彼宇宙飛行士になりたかったけど最終的に天文学に行った口だから」

 「んじゃ頼んだ、とりあえず俺の名刺を預けとく、最悪研究者でも学生でも引っ張って来たいが枠は一人までだ、背中刺されない様に気を付けないと恨み買ってからじゃ遅いぜって伝えておいてくれ、逆恨みも込みで何度も死んだ男からの含蓄有るお言葉だってな」

 「含蓄有るかはともかく、達観するような事じゃないよ? 喧嘩売ってる訳じゃ無いのは知ってるし大半って言うか八割くらいは逆恨みじゃなくて因縁とか言いがかりに近いけど、それでも付け入る隙を与えないとかできないかい?」

 「因縁だの言いがかりだのいちゃもんなんてのは付け入る隙有ろうが無かろうが付けてくるって、なんたって目的有りきなんだし、俺が気に食わねぇから正義だなんだとやってくる、そこに集約するんだから慎ましく生きようが何しようが同じだろ」

 「あー、まぁそれは正しいんだろうけど、だからと言って何もしないのもどうかとは思うよ、対策取ったけどってポーズ見せるだけで世間様に言い訳は立つし擁護してくれるだろうが人も中には居るだろうし」

 「前にさ、俺が言ったのが答えだよ、俺はどうしたって化け物だ、人の理は通じねぇよ、迎合するし手加減もするが俺ばかりが譲ってやるつもりもない、俺は世界を壊さないし支配しない面倒だからな、それでも可能なのをやってないんだ、その価値を見出だしてもらいたいね」

 「我が子ながらやっぱり傲岸不遜の自分勝手だな、まぁそれを受け止めるさ、親だからね、僕の誇りは家族だ、ちょっと問題ばかりな息子の手助けくらいは喜んでやるよ、とりあえず明日にでも研究室にでも顔を出すさ」




 「おはようございます、すいません突然」

 「いえいえ、どうしました? また何かの遺跡や遺構に天体図でも?」

 「いや、今回はちょっと別口で」

 「オフレコでお願いしたいんですが、家の息子の事業で今度、完全予約制で深夜プランを始めようかって企画が有るらしく、お客から申請があれば天文学に精通したガイドも付けようという話らしく」

 「万事任せたまえ、諸手と弁当持ちで行こうじゃないか」

 「即答ですね」

 「そりゃあ勿論、即決で話を通さないと学生とかに掠め取られるから、条件が悪くたって自分だけが楽しむって訳じゃなくても、この世界に身を置くならば一度は行きたいじゃないか」

 「えーっと、一応条件は日当で2万円くらい、月に一回かつお呼びの有る時の超不定期、可能なら目視可能な範囲の星や星座に詳しく民話や神話を絡める事が出来れば文句無し、後は忠告として枠はお一人様限定だから後ろから刺されないようにと」

 「雑誌でも腹と背中に入れとくか、隠してもどうせ何時かはバレるだろうし」

 「とりあえず息子の名刺を渡しておきます、仮に教授が引くに引けない理由で無理でも何方か紹介してあげて下さい」

 「心配ご無用、何を捨てても後悔しない自信しかない、例えそれが仕事で学ぶつもりもない誰かに解説するためだけなのだとしても、彼処に行くというのは私の最大の夢だ、息子さんに伝えておいてくれ、今週中に民話や神話をインプットしておくと、なんなら貴方のお父さんがその辺りの資料持ってるだろうから借りると」

 「アッハッハ、幾らでもどうぞ、なんなら知り合いに古代史と民族学と天文学の関係とか研究してる人居ますし紹介しますよ」

 「是非お願いしたい、此方も星の巡りやら過去に起こった天体ショーとかの資料は有るんでもしかしたら流星群とか隕石とか、その辺りから過去の神事や事件、それに文献に記された情報との関連性が見えて来そうですし」

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