趣味の日その1
連休となれば遊びに出かける者も居れば寝溜めだとか体力回復のために使う者も居るし家族で出掛けたり恋人とデートしたり、はたまた日がな一日DVDを見たりゲームをしたり、十人十色に過ごすだろう。
そうした中で の過ごし方はというとデートの誘いはリリー宅でのお泊まり会とにべもなく断られ鎧袖一触、一蹴されて、では友人はと言うとバイトか受験のために塾通いか勉強、進学しない者も資格を取るために勉強したり教習所に通ったりで一人だけ取り残されたような感覚にも陥るが寂しいからと泣く様な年でもなく、だったらと家族は父親は論文が佳境、母親は家事、妹は友人と受験勉強。
つまるところ暇をもて余す若人となっていた、ならば東京にでも足を伸ばしてナンパでもという気にもなれず、今日は趣味に生きようと隠れ家に寄る辺を求める。
買ってきたは良いが積まれたプラモデルの山から適当に一つ取り出して洗剤でランナーを洗い乾かしてから素組する、パーツ毎に組んでから塗装する者も居るだろうが の場合は一度組んでから全体のイメージをして塗装や必要ならパーツの改造をするというのが何時ものパターンだ。
2時間程度で序盤でライバルの駈る改修型量産機が組み上がるが色と設定状の運動能力以外に量産型との違いはほぼない、せいぜいがアンテナが長いだとか各部にアーマーが僅かに追加されている程度でシルエットだと角度次第では判別が難しい程度には違いがない。
しかも隊長機との違いは設定状の運動能力のみで完全なワンオフではないのだ、ファンの間でもエースなんだからもう少し優遇してやっても良かったんじゃないかという声も少なくはない、となれば自分が優遇してやろうという気にもなるというもので、とりあえず余りパーツやジャンクパーツの山から使えそうな物をピックアップしつつ武装と追加アーマーのイメージ、配色を固めてしまう。
今回はライバルの駈った二機目までの繋ぎという妄想を形にするべく背部ミサイルポッドと大口径ビームマシンガン、ランチャー付きシールド、背部スラスターの強化、各部アーマー追加、それに際して近距離武装の完全排除、中長距離に長けた機体への改装、一部はプラ板を加工して作る必要もあるが丸一日有ればパーツの作成までは可能だろう、流石に組み付けのチェックや必要なら針金固定やマウント様の穴空け等は厳しいだろうし塗装までは手が回らないだろうが作る物は決まった、後は作りながらディテールの上昇を目指すだけだ。
とりあえずジャンクパーツにミサイルポッドはあるが組み付けを良くしようとするとパージは難しい、だったら二機目の製造の際にブラッシュアップされたとパージ機構を廃する、と言うかあの機体は開幕ブッパ定期と言われる程に開幕で全弾射出、パージして運動能力を上げてそのスピードで翻弄しながら中距離はマシンガンで牽制、ランチャーで圧をかけ、遠距離はスナイパーモードに切り替えて動きながら射撃、近距離は徒手空拳というロマン機体、その繋ぎとなるとピーキーで劣化品の方がらしい。
その上で改修前よりは良くする、設定を読み込むならば開幕ブッパしてデッドウェイト抱えても量産品と同等程度のスピードは出る筈だ、流石に武装の大型化とアーマーの追加で遅くはなるがそこは腕でカバーとする、ランチャーも予備弾倉を腰にマウントせず使い捨てにするとして、アーマーは適当で良いとしてメイン武装をどうするかだろう。
普通にビームマシンガンとするかいっそガトリングでも着けるか、八連ガトリングなら有るがしかしそれだと見た目的に強化になりそうだ、となるとツインドラムマガジンに銃身切り詰めたアレでも作るか、有る意味強化になるがあんなの使いこなせるの一人くらいだし、流石にライバルだと無理だろう、だが良い、ビームなのにマガジンってどうなんだろうかという気もするがエネルギーバッテリーをそういう形にしたという設定にしよう、幸いにして劇中を見る限りだとビーム兵器ってマズルジャンプ少ないどころか反動もほとんど無いっぽいし、実銃のように故障しやすいって事も無いだろう。