夏の日常その2
「しかし水着だと俺との対比で余計に生白いな、お前実は何分の一か白人の血入ってたりしねぇの?」
「さぁな、少なくとも両親と祖父母は違うがな、曾祖父母より前だと解らん、そもそも血筋で言えば何処かに他人種は混じるだろ、100%混じりっけなしの日本人とかいないと思うぞ」
「まぁそもそも人種の最初って解ってるのか怪しいが、人類が世界に広がる過程で現地の奴とかと混じったりしてるだろうしな、肌の色もクロマニョン人だかネアンデルタール人だかが何処に住んでたか程度の差なんだろうが、お前の場合アルビノって訳でもないのに病的に生白い、一昔前なら肉食えとか言われてそうだ」
「奢りなら喜んで食うがな、どうせなら食い放題じゃなくてお高い焼き肉かステーキで頼む」
「言っとくが今日の晩飯は割り勘だぜ? 菜慈美の分は払うだろうが、それに良いところラーメン屋かファミレス辺りだろうさ、焼き肉はもう少し皆が働くなりで懐事情が温かくなってからだな」
「まぁ俺は夏休み明けには会長職を辞するからな、それからバイトでも始めるか、音矢君はお前が居るとして深井君は働けるのか? 水着姿で蛇の骨を体に巻き付けてるようなのが飲食店でバイトできるはずも無いと思うんだが」
「不定期にバイトはしてるらしい、いわゆる漫画家のアシスタントと即売会の売り子で、内容は聞くな、俺も知らねぇし知りたくもねぇが予想はできるから」
「ふむ、となると俺と音矢君だけかバイトしてないのは、俺に至っては経験すら無いが」
「菜慈美も経験はねぇぞ、と言うかアレを野に放つとか火消しにどんだけ走り回るのか考えたくも無い、俺は明確に敵対しなきゃ温厚だがアレはグレーでも容赦しないからな、沸点も高くは無いしマトモに学生生活送れてんのが不思議でならん」
「流石に少し腹がたったくらいで毒を盛るのはお前に対してくらいだとは思うが、普通にクラスに打ち解けているしお前よりは社交性が有るように見えるから案外上手く行くかもしれんぞ? 」
「毒を盛るだけが手じゃねぇんだよなぁ、テレポートって意外とサイコキノと同じくらい汎用的だし、一応菜慈美の場合は範囲とかサイズとか限定されてるけど、たまにそれ越えたの余裕で呼び出すし、それともお前が菜慈美に倫理観ってのを植え付けてくれるのか?」
「無理を言うな、俺も忙しい身だ、そんな時間は無いし有っても徒労と解っている事をやりたくはない」
「しかし、なんと言うか影野君が視線を集めているおかげであまり俺らが目立たないな、野郎二人がフリーっぽくて自分で言うのもなんだが顔も悪くないんだが」
「まぁ俺のせいじゃね? 日本人って外国語アレルギー的なの有るし、まぁそのくせ変に英語使うの好きだが、それかここに居る全員が黒人差別至上主義のKKK会員かだな」
「日本にKKKは居ても少ないと思うがな、まぁハロウィン辺りならあの格好する不謹慎なのが居そうだが」
「あの格好だとアメリカだと射殺されそうだな、良くて袋叩き」
「先輩、そろそろ変わりますよ」
「ん? あぁ、別に良いぜ泳ぎたい訳じゃねぇし、むしろ帰りの運転考えたら体力温存したいしな」
「俺は少し泳いでくるか、時に影野君はなんでずっとポージングしてるんだ、泳がないのか?」
「あぁ、黒子は日焼けとポージング練習だって言ってました、近々また大会有るそうです」
「なるほどな、ゴールデンウィークがよほど悔しかったか、後で飲み物でも持っていってあげてくれ、流石にこの炎天下だ水泳帽程度じゃ気休めだろうしある程度で止めないと倒れるぞ」
「安心しろ、既にある程度だが熱を遮断してるから少しは長持ちする、まぁ流石にそろそろ頭から水ぶっかけて塩口にぶちこんでから水飲ませた方が良いだろうが」
「スポーツドリンクは糖分がダメか、じゃあせめて麦茶にしておいてくれ、それかタブレットタイプの塩分補給にするかだ」
「麦茶なぁ、たしか冷蔵庫に入ってるから取ってくるわ、って事で留守番ヨロ、何か有ったら書記ちゃんの筋肉で解決するか菜慈美に言って下剤辺りを腹の中に入れればたぶんだいたい解決する」