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異能部  作者: KAINE
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家族の日常その1

 家族と言うのは大事な物である、ネグレクトや虐待を受けた子供からしたらフザケルナとしか思えないだろうしDVやモラハラを受けた夫や妻からしたら糞食らえだろう、それでもおおよそ一般的な観点が当てはまる家庭ではこの言葉に間違いはないのだろう、家族の中でこの人は大事という見方なら もう少し増えるのかもしれないが。

 少なくとも私にとって家族は大事で愛すべき物だ、それは故郷にいた頃から変わらない、三人の母と五人の兄姉、九人の弟妹、流石にもう増えてはいないだろうが一夫多妻により子沢山だが地元では小金持ちと呼べる程度には稼いでいたため不足はなかった、少なくとも現地では当たり前な子供は労働力という当然は自営業という側面も有って無かった訳ではないが全員が学業に勤しめる程度の余裕はあった。

それというのも祖父が部族というコミュニティを抜けて行商人の丁稚から初めて店を起こし当時としては珍しかったコンビニのような事を初めて成功したからだろう。

父はその二号店を任されさらに手を広げて時代背景もあって大型店舗とマーケットの胴元のような事をするようになる、若い頃はマフィア連中とも角を付き合わせたらしいが私が大学に進学する頃には抗争も収まりあるべき所に収まっていた。


 兄弟の中で頭の出来は一番良いと言われてきた私が大学で出会った考古学という食えなくはないが食えない学問と民俗学言語学、その世界にのめり込んである日文献を読み漁るなかで運命的な出会いをする。

 精霊信仰について調べる中で見付けたそれはともすれば宇宙人にも見える日本の土偶、似たような物は世界中に幾つかあるが心引かれてさらに没頭した。

文献をさらに読み込み日本語を学び読み書きも学んで留学を申し出た、両親は説き伏せるまでもなく弟妹も兄姉も応援してくれて単身来日、そのまま考古学教室に通いながら博物館等で実物を目にして、教授に付き添ってフィールドワークを進めて、そのまま居座るように院を越え。

その仮定で一度帰国して、再来日、教員免許を取得し両親を説き伏せて国籍を変え、ひたすら勉強と考古学教室の授業の手伝いに勤しみ、何故だか仏文学と英文学の助教になり、気付けば結婚して子供が生まれていた。正直にいってあの数年で何がどうなってこうなったのか一から解き明かしても理解できそうにない、そりゃあ読み書きも聞くも話すもできるし現地の地域風土にも明るかったが何故に後任指名受けたのか、何故に理事会が承認したのか、勤めて20年近いが今を持っても謎でしかない。


 そして二人目の妊娠を知り、ようやく考古学の論文を纏めて流れるように客員講師になった、その間に英文と仏文で准教授になっていたがやはりその過程は謎でしかない、出世としてはかなり早く異例のペースだろう。

 何にしてもようやく落ち着いて仕事の傍ら考古学に邁進しようという頃に息子が異能に目覚めた、それ事態は大した問題ではない、希とはいえ誰にでも起こりうる事だし幸いにして私も妻も異能に対して嫌悪感は無いか限りなく薄かったし妻の両親もまた同じだ、そんな事より何よりその強力さが問題となった。

役所への登録の際に書いた当時は三つの異能、後に息子も気付いてなかった四つ目の異能も出てくるが、そのうちたった一つだけがまだマトモの範疇に収まっているだけで残りの三つは強力と言うには物足りない、本人の言葉を借りるなら化け物のような力を宿してしまった。

只でさえ人の身には大きすぎるとまで言われる異能の中でもとびっきりのソレを発現してそれでもなんとか普通とはややかけ離れてはいてもそれを十分に生かす生き方を見付けてくれた。

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