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#5 傷
8月22日、僕が彼に告白する1日前のお話。
いつも通り彼と会話していると、こんな話題が出てきた。
『今までで記憶に残った出来事ベスト3』
いつも会話は、
どちらかが話題を出す
↓
出された方からその事について話す
↓
次に出した方が話す
こんな感じで、この「話題」は僕から出したから彼からはなすことになっていた。
3位、2位と、色々な思い出話を聞いて。
「1位は何?」と聞いた後、彼が紡いだのは《答え》では無く《忠告》だった。
『ちょっと暗くなるけどいい?』
暗くなる ってそんなに重い話なのかなぁ、と思ったと同時に、1位に持ってくるんだからかなり記憶に刻まれてるんだろうな、とも思った。
だから、言った。
「大丈夫だよ。」
『分かった、じゃあ話すね』
、、、この時は知らなかった。
知る由もなかった。
彼にあった心の傷を。
僕だったら耐えられないであろう《間章》を。