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恋詩、、恋唄  作者: 健汰
呼ぶ子鳥 いたくな鳴きそ わがこひまさる
4/7

#4 夏

クーラーの効いた部屋で、ふとカレンダーを見ると8月23日に赤丸がされていた。

なぜなら、、、

8月23日、木曜日。

この日はまだまだ焼けるような暑さだったと思う。

その日も彼と通話していた僕は、前々からしていた架空の彼氏との惚気話のろけばなしをしていた。

何故かと言われたら少し恥ずかしいのだが、彼に嫉妬して貰いたかったからだ。

こんな方法で気持ちが伝わる訳ないのに、素直に言えないからこんな回り道をしてしまう。 ダメな人間だなぁとつくづく思っていると、ふと目にテレビ番組の特集が目に入ってきた。





“愛について”





愛かぁ〜と思っていたその時、何故だろう、不思議な決心がついた気がした。

その時はなんの決心かは分からなかったけど、僕の口からは自然と言葉がこぼれていた。



「彼氏がいるっていう話、実は嘘なんだ。」



この言葉に対する世の一般的な反応は恐らく、

『はぁあ?』

だろう。 そのくらい唐突に言っていた。


しかし、彼は



『なんで嘘ついたの?』



と聞いてきた。

それは問いただす訳でもなく、責めてるわけでもなく、いつもの柔らかい声で聞いてきただけだった。



だから、答えた。




「し、嫉妬して貰いたかったから、、」




『なんで嫉妬して欲しかったの?』








「好きだから、です、」



自分の気持ちが自然と溢れ出てしまった。

その時、前についた決心がようやく理解できた。



それは、


大好きな人に「大好き」と言う


決心だった。




しゅう、」






「僕と付き合ってください。」





『.....』




『っっ......』



声が震えていた。




『こんな、自分でよければっ..』






『よろしくお願いしますっ....!』






彼は、そう、言葉を紡いでくれた。






しゅう


それは8月23日に付き合い始めた、



世界で一番大好き《だいすき》な、



彼氏の名前です。

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