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リア充?なんですか?それ  作者: アルパカ
4/17

4話 暇人

リレー4人目暇人です。私も一人称視点で書かせていただきます。

細かい設定など至らぬ点が多いと思いますがご了承ください。

では、リア充?なんですか?それ 第4話です。どうぞ!!

ディスプレイの光が少し眩しくPCのファンの音がかすかに聞こえる、最低限の家具しかない生活感が皆無の薄暗い部屋で

「曲だけ聞いたら感動できるんだけどなあ」

動画サイトのアニソンメドレーを聞いて、僕はそう呟いた。

最近は便利なもので長時間のメドレーを作るもの好きがいるらしい。

「でもさすがに本編はなあ...」

OP、EDだけでは曲の良さは理解できても世界観まではわからない。

バンドを組んでいた時、大好きだったアメリカのロックバンドNirvaanaの曲を作成背景を調べてから聴くと前に聴いた時より数倍感動した。

きっとアニソンもそうなのだろう...

アニメとアニソンはセット。

理解はできるが、観る気にはなれない...

アニメを敬遠し始めたのはいつからだったろう。

そう心で呟いて僕はPCの電源を切った。


椎木山高校 創立51年 全校生徒1114名教員62名 

丘の上にあり遅刻ギリギリの生徒にとっては少々酷な場所に建っており校舎が椎木山自然保護区の中にあるという珍しい学校である。

椎木山自然保護区 東京ドーム800個分の面積を誇り主に森林で埋め尽くされていて川や湖もあり動植物が発展、手つかずの自然が残されている。

自然保護区の人が自由に入れるエリアがには、展望台がある記念塔や噴水などがあり人々の憩いの場になっている。

展望台は椎木山自然保護区を360度見渡せ、観測室もあるらしい。もちろん教室からも見える。


入学から早2週間が過ぎた。

学校生活にも慣れ、クラスの雰囲気にも何とか慣れた。

と、言っても僕が話したりするのは入学初日にカラオケに行った(連れていかれた)あの4人だけだが。

まあ、人とそこまで仲良くなる気はないしいいだろう。

相手がオタクでないなら話は別だが...

雪乃さんのことは少し気になるが...いや、もちろん雪乃さんの歌のことが気になるのだが...

「よーし全員準備できたかあ?出発するぞーー!」

担任吉川章人の声でそんな思考は消えてしまった。

今日は月に2度あるフィールドワークである。

この高校のフィールドワークは椎木山自然保護区に入り野鳥や昆虫、植物などを観察しできれば新種を見つけようという授業である。

ちなみに新種は滅多に見つからないが、吉川先生は生物が担当でこれまで20種類近くの新種を見つけてきたその道では有名なお方らしい。

「おう修斗ここにいたか一緒に回ろうぜ~」

調子よくバトルアニメオタク(ハーレムもの)の剛昌がやって来た。

「まあ、いいけど2人で回るのか?」

「確かに2人じゃ寂しいし初めてだし不安だなあ...よし、あいつら誘うか」

これは、雪乃さんと回りたくても誘えないヘタレだからではなく何となく言っただけだ本当に。

と、剛昌が駆けだそうとしたとき

「あれ?二人だけ?そんなら私らと回らない?」

やけにテンションの高い声が後ろから聞こえた。

「夕立?!それにみんなも!」

僕は少し驚き声がうあずった。

「初めてのフィールドワークだし不安だったし」

「あの、ご迷惑でしたか?修斗くん」

有城さん、そして雪乃さんがそれにつづいた。

「め、迷惑なんてことないとないよ雪乃さん」

「そっかあ、よかった」

今の僕が迷惑してないからよかったのか、そんな深い意味はないのか…そんなことより彼女はオタクだ…

リア充脳がそんなことを考えていると剛昌が

「んじゃ、そろそろ行くか」

と言って第一回フィールドワークが始まった。

『そういえばオタクってこんな活発的なことできるのか?』

と心で呟いた。

世間ではこんなのをフラグというらしいが僕が知る由もない。


約1時間半後


案の定オタクどもはすぐにへばってしまった。

夕立は香水かなんかをつけてるのか虫に追いかけられ、有城さん雪乃さんは慣れない道に悪戦苦闘し3人とも座り込んでしまった。

THEオタクだ。

一方剛昌はうざいほどぴんぴんしている、運動をしているのか聞いたところ小学生のころからサッカーをやっており部活にももう入ったそうだ。

ちなみにうちの高校のサッカー部はすごく弱い。

「だ、ダンゴムシが体力あるのは意外ね…」

有城さんがいきなりそんなことを言った。

「家が少し厳しくてね。鍛えてるんだ...」

僕ははぐらかすように言った。


後半は湖周辺へ行った。

第二椎木山湖…椎木山自然保護区には6つの湖があり、第二湖が一番学校に近い。

この湖には合鴨やハクチョウなどの水鳥が多く生息しており、バードウォッチングが盛んに行われている。そしてここのハクチョウは湖を気に入っているらしく渡り鳥なのに住み着いている。

湖のほとりには、ちょっとした休憩スペースなのか東屋があり僕たちはそこで休みながら植物のスケッチをしていた。


「ねえ、あのリス可愛くない?」

「椎木リスだな、小さいから子供みてえだな」

夕立と剛昌がそんな話をしているのが耳に入ってくる。

「修斗くんはこういう自然が多いところは好きなの?」

花のスケッチをしていた雪乃さんが唐突に聞いてきた。そして絵がうまい。

「う〜ん、どっちかっていうと好きかな落ち着けるしさ」

雪乃さんがさっきより座っている時間が長い気がして違和感を感じた。

「修斗くん?」

「あ、ああなんでもない」

きっと、杞憂だろう。

「修斗!!!!これ見ろ!!!」

「雪乃に碧も見て!!!」

するといきなり剛昌と夕立が駆け寄ってきた。

二人は白いタンポポを握っていた。

自然保護区は昆虫の採集は可能だが、植物は禁止されている自由エリアとはいえ怒られるだろうなあと考えていた。

「ええ!?すごい!!」

「こんなの初めて見ました!!」

有城さんと雪乃さんが目を丸くしてみている。

「俺たち先生に見せてくるわ、行くぞ夕立」

「なんであんたが仕切ってんのよ!!3人とも私たちは先に戻るわ ちょっと、待ちなさい!!」

そう言い残し2人は足早に戻ってしまった。

「ダンゴムシとは真逆で活発的ね」

「余計なお世話だ」

自分も活発な方だと思うのだが、人からはそう見えるのかもしれない。

「お前たちそろそろ時間だから戻れよー」

湖のほとりからそんな声が聞こえた。

北村明夫先生、元製薬会社勤務で化学担当だ。

フィールドワークのため駆り出されたらしい。

他にもこの高校には理系の先生が多く様々な功績を残してる人が多いと聞く。

おそらく自然保護区が近いためだろう。

「はい、わかりました。そろそろ、戻りましょうか」

雪乃がそう言い異論もなく戻ることにした。

「痛っ!」

いきなり雪乃がそんなことを言い倒れ込んでしまった。

話を聞くと歩いている時から痛みがあり我慢していたらしい。

やはりあの違和感は杞憂でなかったらしい。

「なんで、だまってたんだ」

「ダンゴムシの言うとおりよこんなに腫れちゃって」

「ごめんなさいみんなに迷惑かけちゃうと思って言わなかったけど結局迷惑かけて…」

「そんなことは気にしなくていい、それよりも立てるか?」

「ちょっと無理かも。ごめんね修斗くん」

雪乃が力なく言う。

「ダンゴムシ!あんたおぶりなさいよ鍛えてるんでしょ?」

有城さんがヒステリックに叫んだ。

「で、できるけど雪乃は嫌じゃないのか?」

「しゅ、修斗くんなら い、いいよ」

「じゃあ、背中に…」

「うん…」

雪乃のの体は想像以上に柔らかく、髪からはシャンプーのいい香りがした。

『こ、これは仕方のないことであって、ぼ、僕はオタクには興味がないんだ!あっ、でも背中になんか…』

僕はここで考えるのをやめた。

学校は思ったよりも近く、真っ直ぐ保健室に行った。


保健室 学校の中なのに、別のところにいると感じてしまう不思議な場所だ。

僕にはあまりなじみのないところだ。

少し消毒液のにおいがしたがいやではなかった。

この学校の保健室自体一見普通に見える。そう、一見は…

「はい、これでよし 腫れが引くまでは冷やしてね」

保健室の大豪院寧々先生が笑顔でそう言った。

苗字とは裏腹に可愛く同年代かとも思うほど若い。

だが…

「はい、プリキュラの冷えピタ またなんかあったら来てね」

「ありがとうございます」

雪乃がお礼を言い保健室を後にした。

『あの先生もオタクか』

保健室の備品は保健室の先生が買うので趣味がバレバレだ。

体温計なども少女向けアニメのキャラが描かれていた。

この学校でオタクでないのが異端なのか…そう思えた。


教室に戻ると夕立と剛昌、そして吉川先生がいた。

フィールドワークは午前授業なので保健室に行ってる間に他の生徒は帰ったようだ。

「お前たち遅かったな」

その吉川先生が気づき言った。

「雪乃が怪我をして保健室に行ってました」

有城さんが簡単に説明した。

「えっ?!雪乃大丈夫??」

「まさか、無理してたのか?」

夕立と剛昌が早口に言ってきた。

「2人とも心配してくれてありがとう、大丈夫だよ大したことないから」

雪乃が屈託のない笑顔でそう答えた。

すると先生が駆け寄り、

「念のため病院行けよ」

さすがは担任心配しているようだ。

「そういばなんの話をしていたんですか?」

僕は教卓の上のタンポポが気になりそう言った。

「ああ、これはー」

先生が言うにはシロバナタンポポと外来種の雑種らしい。

新種と言うには微妙らしい。

って、地味にすごいものだったようだ。

「ーこれからは植物は勝手に取るなよ」

「はーい」


学校からの帰り道、坂を下りている間俺以外の4人はずっとアニメの話をしていた。

出て来る単語などが意味不明で、僕はずっとスマホをいじっていた。

暇があればアニメやゲームの話...

そんなに面白いのかねアニメは...

だが、別に疎外感はあまり感じなかった。

「じゃあまた明日なあ」

坂を下りたところで剛昌がそう言いみんなは各々の帰路につく。

「また明日ね修斗くん、今日はその…色々ありがとう」

「お、おう。あんま気にすんなよまた明日な」

雪乃さんは少し頰を赤らめていた気がしたがきっと気のせいだろう。

そういうことにしておこう。


こんな日常も悪くないと思う自分がいる。

だが、オタクじゃない僕に本当の意味での居場所が学校にはあるのだろうか…

答えはでない、だがそれを探すのが学校なのかもしれない。


暖かい春の日のどこにでもありそうな僕らだけの青春の1ページ。

そして僕らはリア充になっていく...なんてね。

今回は学校の行事?をメインに書かせていただきました。

タンポポの雑種については生物的根拠はありませんご了承ください。

最後ダサくてすいません。

これからは怒涛の展開になります!(たぶんならない)

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