第1話 クソアプリ
[超能力診断!アナタにぴったりの超能力を授けます!!]
俺は暇を持て余していた。今日は日曜日で、部活はなく、宿題も昨日終わらせてしまった。かといって、今から友達を誘って外に出る気力もない。今どきの高校生というのはだいたい一つか二つはスマホのアプリゲームをやっているものであり、自分も例に漏れないのだが、飽きてしまった。そこで新たなアプリを探していたら目に留まったのである。
「ま、ちょっとやってすぐアンインストールすればいいか。」
さて、どんな超能力と診断されるのか。変なやつだったらイヤだなー。鼻くそを爆弾に変える能力とか。いや、あれは全身を爆弾にできる能力なんだけどね。
地味に好きだったキャラのことを考えているとインストールも終わったので開いてみる。
[超能力診断!アナタにぴったりの超能力を授けます!!]
●[この診断の結果、あなたに最適な超能力が授けられます。この診断で得たあなたの個人情報は診断にのみ使用されます。同意しますか?]
ほんとに授けられることはないだろうが、まぁ雰囲気作りってやつか。個人情報大丈夫なんだろうか。まぁいいか。
[同意する]を押す。
●[あなたの姓名、生年月日を入力してください。]
一鬼 真 1999年10月11日 っと。
●第1問[あなたの目の前に人食いライオンがいます。次の選択肢の中であなたはどれを選ぶ?]
A,走って逃げる
B,素手で戦う
C,武器を探す
D,死んだふりをする
うーん。Cかな。走っても追いつかれそうだし、人食いなのに死んだふりしても食われるだろ。素手は論外。
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●第30問[あなたは山を登っています。次の選択肢のうち、あなたはどれを見ていますか。]
A,頂上
B,太陽
C,木々
D,地面
実際は分からないけど男ならAかな。Aにしとこう。
●[お疲れ様でした。これで診断は終わりです。診断結果が表示されるまで少々お待ちください。]
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[診断結果]
あなたは超能力《偽られし英雄の手》を授けられました。
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えっ?これだけ?能力の説明とか無いの?自分で中二病的な妄想でもしろってことか?なんてクソアプリなんだ。
俺はすぐにアンインストールした。