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ゆるキャラは激戦区と彼は思った


まあ、長々とお役所巡りや準備について語っても仕方ないのでダイジェスト。


「御影さん……、テイク5お願いします」

「もうやだ……死にたい」


「御影さん、リンさんが『このべっどがいいのだ!!』って言ってるらしいですよ」

「買いに行くぞ!!」

「この書類書いてからですよ」

「死にたい……」


「御影さん、まだ書き終わらないんですか? もうお役所しまっちゃいますよ」

「……死にたい」


「御影さん(略)」

「死にたい(略)」


「み(ry」

「し(ry」


とまあ、こんな感じで基本俺がボコボコにされていただけである。

もうボールペンとか世界から消え去れば良いと思う。


ついでにリューイとの契約確認も一部抜粋で。


「とりあえず、二月一日(にがついっぴ)から契約開始で翌年一月末で契約終了ということで」

「了解です」

「時給1250円、時間外手当は二割五分増し。あと、契約期間中に邪神が倒された場合邪神討伐ボーナス100万円がでるよ」

「マジで!!」

「うん。これは邪神討伐に君が特段に貢献している必要はない。皿洗いさえしっかりやってくれれば100万円あげるよ」

「マジかあ……」

「だから、裏切らないでね? ストライキとかしないでね?」


「もし一年待たずに邪神が討伐されてしまったときは最大三ヶ月分までの賃金を払うよ」

「は!?」

「たとえば、開始三ヶ月目で邪神が討伐された場合は三ヶ月分の賃金を退職金としてだすよって話」

「………………なにがしたいのお前?」

「だから、裏切らないでね? ストライキとかしないでね?」


「君にとにかく邪神が倒れるモチベーションを与えたいんだよね。貢献してもらうのは難しいけど妨害するのは簡単だからねえ」

「……つまりは?」

「ストライキとかしないでください」


とまあ、基本リューイ土下座だった。

軽く泣きが入っていた。

どんだけお前裏切られるのが怖いんだよ!?


「もうなんなの? 豊蘆原労働者の権利保障されすぎてない!?」


抜粋おわり。


 * * * 


そんなこんなで。

ついに明日、二月一日ついに異世界で働くことになった。

その前夜である。


「御影さん。いよいよ明日ですね」

「うん」

「というわけで、渡すものがあります」


うん。良い感じになどなりようがないことは分かっていたさ。

そうだよなあ……くうさん五年前に27歳で死んでるからなあ。

ぶっちゃけあらs


「……御影さん」

「何も考えてないです!! 何も考えてないです!!」


ソッコーで土下座である。

くうさんの目が冷たい。もうめっちゃ冷たい。


「天照様より御影さんへと言うことです」

「ありがたく頂戴いたします」


土下座のままの俺の後頭部にぱさりと何かが乗っかった。

布、それも化繊だろう。固めである。


「仕事中はこれを着るようにと天照様が仰せです」

「ほう?」


起きあがる。後頭部より滑り落ちたは作業着であった。

ベージュの生地にポケットいっぱいのありふれたデザイン。

左胸に丸っこくデフォルメされた日輪とヤタガラスのエンブレムが入っている。


「アマテラスブランドオリジナルデザインですよ」

「……ええっと」


どう反応すればいいのだろうか。

まあ、あんまりかっこよくするとサッカー日本代表エンブレムとかぶるからな。近年盗作問題は厳しいし。


「……天照様がゆるキャラが良いってきかないんですよ!! しょうがないじゃないですか!!」

「天照様ゆるキャラ好き!?」

「グッズ展開したいんだそうです」

「……おおう」


ゆるキャラは激戦区だぞ……?

最近は一市町村に何十個もゆるキャラがいることすらあるからな。

まずゆるキャラコンテストに出られるかどうかから選抜は始まっているんだぞ……?


「まあ、ゆるキャラはいいんです。所属を明確にする意味でも作業中は強制で着てもらいます。一応NASAが作ったとかいう丈夫な新素材を使ってあるんで普通に作業着として使っていただいて大丈夫です。いろいろなものから御影さんを守ってくれるとおもいます」

「防弾仕様とか?」

「いえ、別に」


おい。

何から守ってくれるんだよ?

しかし、くうはクールなじと目である。


「いや、御影さんあなたまさか着るものが防弾使用になったぐらいで邪神と戦えると思ってるんですか?」

「……そりゃそうだ」


うん。

言われてみればその通り。

例えフルプレートアーマーとか着たところで門上御影が戦力になる未来などやってこない。

ていうか、多分重すぎて動けない。


「まあ、作業着はありがたいんでもらっとく。Tシャツでやると洗濯が大変すぎる」


そこは素直にありがたい。

一応、洗濯タグを確認しておこう。

そう思い洗濯タグを確認した御影は硬直した。


「………………………なんだと!?」

「どうかしましたか!?」

「せ、洗濯表示が俺が習ったのと変わってるだと!?」

「ああ、国際規格に合わせて変更になりましたよ」

「よ、読めない……」

「……一覧表印刷してきますからちょっと待っててください」


そういうくうさんの目は手のかかる子供を見るようであった……。

住所不定無職だったんだよう……洗濯機とか無縁だったんだよう……。


本日の教訓。

洗濯絵表示国際規格に合わせて変わりました。気をつけましょう。

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