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助っ人外国人てと彼は思った

魔法神――キーズ・ディ・リンガ。

生前の名をキーズ・ドゥ・エスシーバ。


知恵の女神リンガとの魔法勝負に勝利して魔法の権能を与えられた元二語民。

エスシーバ領領主にして没後600年以上たった今なお史上最高と名高い魔法使いだった男。

リューイ・ディ・エンクが契約神となるまで人から神に成り上がった唯一無二だった男。


――にして。


此度の戦いにおいて、さしたる戦功をあげられなかった神である。


 * * * 


「なんかこう……さらっと封印されちゃったからねえ」

「でも、リンたち頑張ってただろ!?」

「うん。それについては僕も言い添えておく」


とはいえ。

邪神討伐ための戦力として神に格上げされたものとしては。

なにがしかのペナルティは避けられない――という。


「御影君にわかりやすいように言えば……高い年俸の助っ人外国人がなんも結果出せなかったみたいな?」

「いや、俺野球わかんねえや」

「野球ってことがわかればいいよ。いや、野球じゃなくても良いのかな?」


僕も詳しくないんだよね、とリューイは首をかしげる。

いや、異世界の神としては十分詳しいと思うが。

助っ人外国人て。日本人か。


「まあ、言いたいことはわかる。つまり、それだけ期待が高かったってことか」

「第一号だし、実際優秀だからね。だから狙われたのかもしれないし」


そして。

その高かった期待に見合うペナルティとなれば。

リンたちの存在を維持できないほどであってもおかしくない、らしい。



「……だから、その埋め合わせをリンがってことかよ」

「そうだね」


キーズ神がいなければメリューは存在できない。

邪神を倒した勇者がメリューの存続を願ったというのはキーズ神にとって大きな追い風だ。


しかし。

しかし。


もう一声欲しいのも事実である。


「邪神を倒した勇者がメリューをガラン世界に派遣することを願った――というのならキーズさんの首はつながるだろうね。つまりはリンの立場は安泰だ」

「……神々って生臭えなあ」

「実にね。というか、キーズさん僕と違って強いんだよ。それだけに警戒されてんだよね」


いや、それならお前だってどうなんだ――と御影は思うが。


見事に邪神を倒すことに成功した新しき神。

妬み嫉みの集まりそうな立場ではないか?


「うーん、だからこそキーズさんには恩売っときたいんだよね。正直権能的には割と相性良いと思ってるし」

「あれか、契約の権能でバフかけて魔法を強化って感じか」

「まあね。うん、まあ、だから、リンの待遇に関しては君が望むなら尽力するのをいとわないよ」


そこで、リューイは少し考えるそぶりを見せた。


「……なんだよ」

「いや、もう、いっそのこと――リン持って帰っちゃう?」

「なぬ?」


突如浮上したリンお持ち帰り計画。

まあ、実現するかどうかはさておき。

持ち帰るのが美少女じゃなく猫一匹なのが最高に御影らしかったとさ。


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